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あぁ...いやらしぃ 好色OL・絵美
【OL/お姉さん 官能小説】

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フレンチ・キス-1

 昨日は新たなトキメキがあったり、どん底に突き落とされたり、前向きになったりとジェットコースターなような一日だった。それでも希望に満ちた朝を迎えられれば、気分も良いのだろう。しかし、絵美の目覚めはけっして良いものではなかった。
 浩也の話を聞き、一旦は呆然となったものの、最後には踏ん切りがつき、新たな恋の予感とともに今日のカフェデートを楽しみに迎えるはずだったのに・・・
 昨日の夕方、絵美が見たのはその新たなる恋の相手候補である沢村慶一郎が、彼女と思われる女性と仲良く院内を歩いているのを見てしまったのである。
 検査の時に偶然出会った慶一郎と、電撃的にデートが成立してものの一日も経たないうちに、恋敗れてしまったのである。完全に好きになっていたわけではなく、「なんとなく雰囲気がいいな」ぐらいの第一印象から、話しているうちに一気に恋のテンションが上がってしまった。ほんの少しの時間だけれど、すごく心地よい感じがして、なんだか妙に気が合った・・・ような気がした。

 気がしただけだった。
(そうだよねぇ、彼女がいないわけないか)
 自分の勇み足に嫌気がした。
 今日の約束はしたけれども、彼のことは何一つ知らない。もしかすると結婚もしていて、奥さんかもしれない。
(何を焦ったのか・・・完全に空回りしてるよなぁ)
 朝食のハムエッグも食が進まない。病院食がだいぶ美味しくなったという話は聞くが、あくまでも病院食としてのことであって、普段食べている食事に比べればまだまだ差がある。そんな中、ハムエッグはけっこうなごちそうの部類に入る。同室の60代の女性からも、ここの食事のベスト3に入る(笑)と言われるメニューだ。
 そんなご馳走を目の前にしても、食欲は沸かず、ため息だけが増えている。
(どんな顔して会えばいいんだろう)
 あんなに楽しみにしていたカフェデートが今朝になっては憂鬱以外の何物でもなくなってしまっていた。

 退院の目処がつき、何だかよくわからないけれど、まあまあカワイイ女性と知り合え、更にデートまで決まってしまった。おまけに、予想外のメグのお見舞い+フェラ奉仕口内発射と、盆と正月と誕生日が一緒にやって来たような素晴らしい日だった。
 今朝もその余韻のまま快適に目覚めた。そして朝食もこの病院にしては良品と言えるハムエッグ。めざましテレビの占いも1位だった。
(入院するってなった時は、メンドクセーナーって思ったけど、なんか運気上がって来た!?俺)
 午前のリハビリも順調にこなした。昼食のおかめうどんも美味しくかった。この後の絵美とのデートを心待ちにしながら幸せなうたた寝に入った。
 そんな幸せな時間だったが、それは長く続かなかった。
 浅い眠りの途中、スマホが鳴った。
(誰だよ〜入院中なんだからLINEにしろよ〜)
 画面を見ると、会社の後輩瀬田からの着信だった。
(ああっもう)
「もしも〜し、あ、沢さんお疲れっす。瀬田です」
「何だよ瀬田っち、俺が入院してんの知らないわけじゃねえだろ」
「わかってるからこそ電話にしたんじゃないっすか。LINEだったら既読にすらならずスルーっしょ。俺だって編集長から絶対に捕まえろって言われたから」
 図星だ。瀬田が連絡をしてくるということは、間違いなく仕事の話に違いない。そこに編集長が絡んでいれば尚更その線は濃い。LINEだったら確実に見ることは無い。
「俺、入院中よ。わかってんだろ」
「でも、入院していても仕事できる病気だから大丈夫だって編集長が」
 確かに、整形外科的な手術での入院だから仕事ができないわけではない。だが、病人であることも間違いはない。
「あのさぁ、一応身体と心のオーバーホールも兼ねてるわけ。わかる!?退院の目処もついたからもう少しそっとしておいてくれって編集長に言っといてくれよ」
「いや、その辺のことも編集長言ってましたよ。もう少しで退院できるだろうから、仕事の方もリハビリさせようって」
 僕は地元情報誌の営業兼編集者。忙しい合間を縫っての入院だった。
「来月号ならもう印刷入ってる頃だろ」
「来月の話じゃなくて、年末特集の件っすよ」
「だったら退院してからでも遅くねぇじゃねーか?」
「とにかく、そっちに資料持っていきますから。もう少しで着くんでよろしくっす」
 いくら話しても無駄だと分かったのか、瀬田は勝手に電話をきった。そしてこっちに来るとも言っていた。
(あの編集長はこういうことには鼻が利くんだよな。人の状況や心を察知するっていうか・・・)

 ものの30分もしないうちに瀬田はやって来た。
「あ、元気そうじゃないっすか。編集長が言った通りだ」
「あっそ、で、何仕事って」
 瀬田は話好きで、ちょっと話し込むと止まらない厄介な奴だ。この後、絵美との約束もあるので、とっとと要件を済ませてお引き取り願いたい。
「あー、これ見ておいてくれって」
 そう言って、10枚ほどの資料を取り出した。
 僕は、ざっと目を通してみた。情報誌の年末に組む予定の特集だ。まだラフなデザインだが、コンセプトは読み取れるし、一部ではあるがネームも書かれていた。
「またラーメンかよ」
 今までにも何度か掲載してきた内容だった。
「編集長ラーメン好きだから。自分の好みだけで仕事やってるって感じっすよね」
 20も違う若い瀬田からも失笑を買ってしまっては、編集長として立つ瀬が無い。
「で、どうしろって?」
 これを見ただけでは、何をしていいのかわからない。ダメ出しをするのか、自分なりの意見を出せと言うのか。
「とりあえず、掲載したいお店は書き込んであるから確認して欲しいって言ってました。あと、全体的な構成とレイアウトもイメージしておいてくれって」
 編集長はラーメンに目が無い。過去にも度々特集してきたが、それでも定期的に紙面に載せる。それだけに特集の時にはいつもより熱がこもるのだ。


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