計画-3
階下で、来訪を告げるチャイムが鳴った。
誰だ?
この時間にタケルの家を訪れるものは、そうはいない。
耳を澄ませた。
母が応対に出たらしい。
しばらく耳を澄ましていたが、それからは、なんの物音もしなくなった。
誰だったんだ?
興味はなかった。
きっと、飛び込みの押し売りでもやってきたのかもしれない。
まれに、時間をわきまえずにやってくるセールスマンがいる。
おそらく、そんなところだろうと、タケルは気にも留めなかった。
むしろ、母の秘密を知って、気持ちが高揚していた。
うまい具合にスイッチが入った。
ミナが寝静まったら、さっそく行動に移す。
母は遅くに風呂に入る。
その時間帯を見計らって、母を襲いに行く。
最初は騒ぐかもしれない。
だが、すぐにおとなしくなる。
力では負けない自身がある。
それに、母もそれほど騒がないかもしれない。
母親の実に8割は、自分の息子に犯されたいと願う願望があると、何かの本に書いてあった。
母だって、タケルのことが嫌いなわけじゃない。
だから傷つけぬように、ミナのことで責めたりしなかった。
存外、ミナの代わりにといったら、あっさり許すような気もする。
騒いだら、騒いだで、かまわない。
力ずくで犯すことにも興味がある。
どちらにせよ、今夜からすべてが一変する。
明日の朝、待ち構えているタケルをみて、ミナはどんな表情を浮かべるか。
想像しただけで、タケルは笑いが止まらなかった。