巴のラブラブ大作戦U-8
案の定、佐伯君とは会話をしていない。朝も、休み時間も、ずっと。
「はぁーーー、アイツもほんっとバカねっ!自分の事しか考えないで若葉の事を信じない
だ何て、脳無しとは思ってたけどまさかここまでとは、救いようのないバカッ!」
「はぁ、折角風馬君の一件がまぁある程度解決したのに…。」
いつものドーナツ店、コーヒーカップをゆっくりと置き、巴ちゃんは言う。
「でも、その気持ち…分からないでもないな。」
「え…?」
「そりゃ身勝手なのか確かだよ、でもさっアイツからしたらどうだろうか?自分よりも
かつての恋敵に思いがいっていたら…。」
「それは…。」
「まっ、アイツの言うようにそんなの稲葉さんを誘えば良いだけの事なんだろうよ。」
「ううっ、私。」
「早乙女先輩の騒動、覚えてるよね?」
「うん、彼女が佐伯君に振り向いて欲しい一心で風馬君に背中を押されて自分の家が大変な事になってるって嘘ついて…。」
「その時どう思った?」
「どうって、あの二人は酷いなぁーって。」
「そうじゃなくて!アンタはどう思ったの?」
「私は…っ!」
そういう、事。