巴のラブラブ大作戦U-4
授業が終わり、学校の門を出る私。
「柊さぁーん!」
「?」
聞き覚えのある陽気な声が後ろから聞こえる。
「あぁ、佐伯君…。」
上機嫌に私の元へ駆け寄る彼。
「何かご用?」
「用って…、用がなきゃ話しかけちゃいけないのか?」
「そ、そうだよね、御免なさい。」
「…昨日の帰りにちょこっと合唱部を覗いたんだ、いやー上手だったよ。」
「そう、ありがとう。」
「……所でさぁ、今度の休みの日って予定空いてる?」
「え、どういう事?」
「実はさっ!この時期大通で雪祭りがやってるだろっ!」
「あぁうん!素敵な雪像が一杯あるっていう。」
「そう!だから一緒に行かないか!美味しい中華まんや温かい肉まんとか色んな旨いもん
もあるだろうしっ!」
「んー。」
「なっ!いこーぜ!今度は変にすっころんだりしないからさっ!」
ぐいぐいと誘う彼。でも今はそれ所ではない。
「御免なさい!今は忙しいの!」
「え?具合でも悪いのか…。」
「違うの、大事な用があって、やらなきゃいけない事なの…。」
「……そうか。」
「そろそろ行かなくちゃ!さようならっ!」
風馬君、待っててね!私が、君を救うから…。
「………。」