お正月-8
その3日後に、2人はまた夕方にちづるの家で会う。
夕飯はハンバーグ、スープ、魚介のカルパッチョだった。
いただきます、と2人で言っていつものようにお喋りをして、ご飯を食べる。
タクミが言う。
「美味しー。
料理、本当に上手だよね。」
「普通だよ 。
タクミ君はトマトソースの味が、
好きだよね。」
「え、うん。
なんで分かるの? 言ったっけ?」
「食べる早さ、とかかな。
なんか分かるの。」
「 へー。 凄ーい 。
そういや今日のご飯、
俺の好きなものばっかりだー。」
「、 、、うん。」
2人は夕飯を食べ終わると、ちづるは2人分紅茶を入れた。
「あ、 、あのね、タクミ君、、」
「 ん?」
「あの、、私、相談が、あるの。
相談ってゆーか、
お願いってゆーか、、。」
「 ? うん 。」
「ううん、やっぱ 相談、かな、、」
「なーにー?」
「、っ、、この、タイミングで、
ちょっと、言いづらいんだけど、
その、、 、 、 、
買い物に、行っていい?」
「 え? 」
買い物 ?
「 先生 と、 、、。」
「、 え !?」
、 、 また、アイツか ! ?
あの女医 か! ?
「 なんで!? え ?
今でも、会ってるの?」
「いや、あの、、、
会ってるってゆーか、、、」
「まだ、交流、あるんだ、、、。」
「先生、昔から洋服を選ぶのが苦手らしくて。
私、アドバイスしたりしてた、、。
自分のお店の物じゃなくても、
先生に似合いそうなブランドを教えたり、、。」
「、 、で?」
「それで、、、
先生、凄く喜んでくれて。
今度一緒に買い物行こう、って。」
「それは、前にも言ってたよね。
、 、、今も、
交流あるとは思わなかった。」
「今は、1年に3〜4回、くらいかな。
買い物して、 、
その後、ご飯おごってもらってる。」
「 、 、 、、。
なんで、おごるんだろう。」
「 え? あ、ご飯を?
んーと、私も最初は
断ろうとしたんだけど、、。
先生、コーディネートしてくれた
お礼、って、いつも、、。」
「、 、 、 、 、、。」
「でも、、私、 、、
今、タクミ君が大事だから。
嫌な気持ちにも、させちゃったし。
タクミ君が行ってほしくないなら、、
行かない。」
「、 、 、 、 、、 、
ちづちゃんは、
行きたいんでしょ?」
「、 、 、 、うん、、。」
「 そー 、、だよね。
、 、、、いいよ。行っても。」
本当は、微妙だけど 。
行くな とは、言えないよな 。
「え ? 、、本当?」
「 でも、 約束して。
先生でオナニー、しない事。」
「ん、、うん。」
「あと、匂いを嗅がない事。
物を盗らない事。」
「あ、 、、あれは、出来心で、、」
「まぁ、盗りは、しないと思うけど。
隙があれば、
匂い 嗅ごうとしちゃうっしょ?」
「、っ、! しないよ 、 、
先生、あの頃と、匂い、違うし、、」
「 ? 匂いが違う?」
「 香水 ? か、分からないけど、、
変えたみたいだもん。
あの時に嗅いだ匂いと、
今の匂い、違うから、 、、」
「 へーーー。
チェック済み ですかーーー。」
「 ぁ 。 、 、、っ、」
「 、 、、 、。
まーいいや。
それが、守れるなら、、
行っても、、 いいよ 。」
「ん、、うん! 守れる!!
タクミ君、ありがとう!」
「、 、 、、うん 。」
ちづるは、安心して先生に会えるのを楽しみにしている様子だった。
タクミは、そんなちづるを見つめていた。