変心-2
「虐められたくない?」
確かめるように訊ねた。
腕の中でミナが小さく肯いた。
「じゃあ、お兄ちゃんのいうことならなんでもきく?」
ミナはじっと息を潜めてタケルの瞳を見つめていた。
真意を推し量っているような見つめ方だった。
間をおいてから、また小さく肯いた。
「いい子だ。」
褒めるように頭をなでた。
そのままミナの頭を抱えてキスをした。
長い長い時間、唇を重ねた。
やがてタケルの背中にまわされていた細い腕に力が込められた。
信じてると言いたげな仕草だった。
ミナは、終始痛いことをしないでくれと頼むだけだった。
それは裏を返せば、それ以外なら受け入れるといっているのに等しい。
あきらめたのか、観念したのかはわからない。
タケルへの思いが強すぎて自分を見失っているだけなのかもしれない。
どうでもよかった。
「ちゃんということをきくって、約束したよ・・・。」
頭をなでながら耳元でささやいた。
「うん・・・。」
返事を確かめて、膝から下ろした。
タケルの股のあいだに座らせた。
「どうすればいいのか、わかるよな。」
ミナの目の前には、怒ったようそそり立つ肉塊があった。
ミナは、恐る恐る手を伸ばした。
こわごわと握ると、何度も上目遣いにタケルを見上げながら顔を近づけていった。
「上手にできたら、また抱っこしてキスしてあげる。」
唇を重ねていた最後の方、ミナは自分から欲しがるように唇を預けていた。
積極的に舌を伸ばしてもいた。
「そこにキスするんだ・・・。」
ミナは目を閉じた。
あれほど嫌がっていたのに呆気ないものだった。
「いっぱい舐めて・・。」
もう、嫌がる素振りはなかった。
目を閉じながら、丹念に舌を這わせた。
いうがままに舐めるようになった。
ほんとに女心はわからない。