第八章-1
第八章
八月九日、北原泉美の家での宿泊調教の二日目、朝食は泉美がトーストとハムエッグを作ってくれたが、例によって私は四つ這いで口だけで食べさせられた。
「さあ、食べたら出してもらおうか。快眠、快食、快便!」
食後に泉美が言う。
「でも、私、そんなにうまく出るかどうかは」
私はどちらかと言うと便秘体質で、毎日調子よくウンコが出るとはかぎらなかった。
「これで出してもらうのよ」
泉美は例のダンボール箱から浣腸器を取り出した。私は顔が引きつった。
「以前に空気浣腸をしたことはあるけど、今日はぬるま湯を入れて、屁ではなく本物のウンコを出してもらうんだ。じゃ、いくよ」
泉美は四つ這いのままの私の後ろに回ると、大きなビーカーからぬるま湯を浣腸器に取って、私の肛門にブスッと突き刺した。
「うっ、うう」
一回、二回、三回、四回。そして五回目の浣腸。
「ううっ」
合計浣腸器五本分のぬるま湯が入れられ、私の腸はずるずるになった。
「うう、苦しいです。早くベランダに行って洗面器に出させてください」
「だめだ」
「えっ?」
「三十分はウンコを我慢しろ。三十分以内に出したらお仕置きだよ」
(そんなあ。浣腸しておいて排便もさせてくれないなんて)
しかしお仕置きだと言われたら私は我慢するしかなかった。お腹がぐるぐると鳴り、お尻からチュルチュルと出そうになるのを、肛門に手を当ててぐっと力を入れたり、やみくもに手足を動かしたりしてとにかく耐えた。
「あと二十分だよ」
泉美は時計を見ながら楽しそうに言う。私はもうたまらなくなって、うろうろと動き始めた。全身から大粒の汗がたらたらと流れた。
(もうだめ。どんなお仕置きでも受けるからウンコさせて!)
息も絶え絶えになってきた。苦しくてたまらない。
そしてようやく三十分が経過した。私はベランダに走り、洗面器にまたがると同時に、チュルチュルとほとんど液体状のウンコが勢いよく排出された。
その後、この日はアナルの開発を中心に数学のお勉強が行われた。
「痛い! 痛いです!」
まったく未開発の私の肛門は、最初は泉美が指一本入れただけで痛くてたまらなかった。しかし間に昼食を挟んで集中的なアナル開発の結果、夕方頃には、私の肛門はバイブがズボズボ入るくらいにまで拡張された。
「あのう、おしっこに行きたいのですが」
アナル開発が一段落したところで私は言った。ところが、
「だめだ」
「えっ?」
「お前はおしっこに行きすぎる。今回はもう少し我慢しろ」
「そんなあ」
この宿泊中、私の排泄は許可制だったが、これまでは私が申請すればいつも泉美はすぐに許可してくれていた。申請が却下されたのは初めてだった。
「これから、昨日と同じように、ベランダでお前の体を洗う。それが終わるまで我慢しろ」
「わかりました」
とは言ったものの、そこまで我慢できるかどうか私には自信がなかった。
四つ這いのままベランダに出ると、この日はシャンプーと称して、朝に浣腸排便した下痢状のウンコを頭にかけられた。
(うう、臭い!)
しかし私はこれはある程度予測していたことなので、昨日いきなりおしっこをかけられた時のような衝撃はなかった。それからホースの冷水でそのシャンプーを流し、体にも水をかけて例の刷毛でごしごし擦ってくれた。だが、水の流れる音を聞いていると、ますます尿意が催されてきた。
「泉美様、もう限界です。おしっこさせてください」
「だめだ。もうすぐ終わるから我慢しろ」
しかし私の生理現象は泉美の命令に忠実ではなかった。気がつくと知らぬ間にジャーッとおしっこが漏れていた。そして体から滴るホースの水といっしょにおしっこが流れていることに泉美も気づいた。
「お前、私の許可もなく勝手におしっこしたな。お仕置きだ。こっちへ来い」
「申し訳ありません。私も知らない間にやってしまったことなんです。本当に申し訳ありません。このとおりですから、あのお仕置きだけはご勘弁ください」
「だめだ。こっちへ来い」
「いや、嫌です。行きたくありません。どうかお許しください」
「お前、それは私の命令に対する抵抗だな。それもお仕置きの対象だ。これでお仕置きは二回になった。まだ増やしたいのか?」
(うっ!)
素直にあの一本鞭のお仕置きを受けなければ、命令に対する拒否または抵抗と見なされて、お仕置きの回数が増えるだけだということを私は悟った。