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「数学のお勉強」
【SM 官能小説】

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第二章-1

      第二章

 四月十五日、金曜日、授業が終わると、教室で北原泉美が私に話しかけてきた。
「ねえ、彩香。今日、夕方から南京西路のパレットハウスでコスプレパーティーがあるんだけど、いっしょに行かない?」
「うん、行く、行く」
 同じ合唱部とはいえ、それほど親しくはない泉美から誘われたのは少々意外だったが、クラスも部活もいっしょなのだから、特に不思議にも思わず私は同意した。
 婁山関路から南京西路までは地下鉄二号線で四駅。私たちは南京西路駅を出て、すぐ近くのパレットハウスに行き、コスプレパーティーの参加費と衣装レンタル料を払って中に入った。
 するとメイド服姿のスタッフが案内してくれた。パーティー会場の脇にカーテンで仕切られたコーナーがあって、そこにはレンタルの衣装がハンガーに掛けられてずらりと並んでいた。
 セーラー服、ナース服、メイド服、チャイナドレス、軍服、それにアニメやゲームのキャラクターやアイドルの衣装など。そしてふと上を見ると、天井からバニーガールの衣装が吊り下げられていた。
「あれがいいです」
 私はそのバニーガールの衣装を指差して言った。
「えっ? これですか?」
 案内のスタッフが驚いたように言う。
「これはだめなんですか」
「いえ、そういうわけじゃないですけど、まさかこれを着たがる人がいるとは思わなかったものですから」
 私は少し恥ずかしくて顔が赤くなった。
しかし案内のスタッフはその衣装を下ろして私に渡してくれた。網タイツと黒のエナメル革のレオタード、首に巻く蝶ネクタイの付いたカラー、両方の手首に付けるカフス、超ハイヒールのピンヒールのパンプス、そして頭に付ける黒のウサギの耳飾りだ。
「あちらで着替えてください」
 部屋の隅にブティックの試着室のようなスペースが三つ設けられていた。私はそのひとつに入って着替えを始めた。着ているものをすべて脱ぐ。ブラジャーも外す。最初ショーツは穿いたままで網タイツを穿きレオタードを着たのだが、レオタードが超ハイレグすぎるため、これだとショーツがレオタードの裾からかなりはみ出た。
(どうしようかしら)
 紐パンツでもあればいいが、もちろんそんなものは用意していなかった。
(ええい、脱いじゃえ)
思い余った私は一大決心。レオタードと網タイツを一旦脱ぎ、ショーツも脱いで、ノーパンの上にもう一度網タイツとレオタードを着用した。
 このレオタードは超ハイレグで股間にしっかりと食い込み、鏡で後ろを見るとお尻の半分くらいははみ出していた。丈も極端に短く、乳首がやっと隠れる程度で乳房の大半は露出し、後ろも背中の半分くらいまでしかなかった。もちろん肩紐などという無粋なものは付いていなかった。
(きゃっ、恥ずかしい!)
 しかし私はこういう恥ずかしい格好をさせられる、強制されるということ、逃げたくても逃げられないという状況設定に、なぜか性的に恍惚としたものを感じるのだった。
 そしてカラーとカフスそれにウサ耳を付け、ピンヒールのパンプスを履いて私はパーティーに参加した。
 泉美はももいろクローバーZが『GOUNN』を歌う時の衣装だった。色が黄色だったので玉井詩織のコスプレであろう。彼女は私の恥ずかしいバニーガール姿を見ても、ふふっと意味ありげに笑っただけで特に何も言わなかった。
 パーティーはまず自己紹介から始まり、お茶やジュース、お菓子を食べてのフリートークとなった。カラオケも用意されていた。
「彩香、写真撮ろうよ」
「うん、そうだね」
 私たちはスマホでお互いに写真を撮り合った。いろいろなポーズで撮ったが、そのうちに泉美が、
「彩香、せっかくそんな格好をしてるんだから、ちょっと座って足を開いてみなよ。股間をアップで撮ってあげるから」
 などと言い出した。
「嫌よ、そんな写真」
 当然私は断った。しかし、
「いいから、足を開きなよ」
 泉美は両手で私の両膝を無理やりぐっと開かせると、本当に股間にスマホを近づけてアップで撮った。そして満足げにその画像を見つめながら、
「ふうむ。マン毛がだいぶはみ出てるわね」
「きゃっ、恥ずかしい!」
 私は思わず膝をきゅっと閉じて、さらに両手で股間を隠した。


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