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「数学のお勉強」
【SM 官能小説】

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第二章-2

(泉美ったら、どうしてそんなことを言うのかしら)
 私は恥ずかしくてたまらなかった。しかし恥ずかしければ恥ずかしいほど、妙に疼いて興奮してくる自分をも感じた。
 中二の私たちが最年少だったが、他の子たちともそれなりに打ち解け合って、何だかんだ言っても楽しい時間を過ごしてコスプレパーティーは終わった。
「楽しかったね」
「うん、私にはもうすべてわかったわ」
「えっ、何が?」
「ううん、何でもないの。じゃね、バイバイ」
 地下鉄一号線の徐家滙駅で下りて、泉美は十一号線のホームへと去って行った。
 五月の連休の最終日、大世界の上海音楽庁で上海合唱祭が開かれた。この日の桃園女学院合唱部のステージ衣装は、白のブラウスに黒のロングスカート。この衣装に着替えて楽屋で出番を待っている時、
「彩香、ちょっと」
 と言って、泉美が私をホールの多機能トイレに呼び出した。そして二人で入ってドアに鍵をかける。
「どうしたの、泉美」
「彩香、パンツを脱ぎな」
「えっ!」
 一瞬私は耳を疑った。
「パンツを脱げって言ってるんだよ。今日はお前はスカートの下には何も穿かずにノーパンでステージに立つんだ」
「ちょ、ちょっと、どうして、そんな、急に」
「お前は恥ずかしいことを強制されて喜ぶタイプだ。真性マゾヒストだよ。一年の頃から薄々そういう気はしてたんだけど、こないだのコスプレパーティーではっきり確信したよ」
「じゃ、泉美は?」
「私は真性サディスト。今後はお前を私の奴隷にして、恥ずかしいこと、惨めなこと、情けないこと、痛いこと、熱いこと、臭いこと、汚いことをいっぱいさせてやるよ。嬉しいだろう」
「いや、私はちょっと」
「何をぐずぐずしてるんだ。さっさとパンツを脱げよ。もうすぐ出番なんだ。時間がないんだよ」
「でも」
「そんなロングのスカートなんだから、ノーパンでステージに立っても、誰にもわかりっこないって」
 私はなおも抵抗したが、泉美からの命令に加えて、私の心の内なる声も、私にショーツを脱ぐことを強く求めてきた。
「わかったわ、泉美」
「違うだろ、彩香。お前は私の奴隷なんだ。いや、家畜でもいい。だから二人きりの時は私に対して敬語で話せ。そして泉美様と呼べ」
「わかりました、泉美様」
 私はがちがちと震える手で、おそるおそるスカートの左右の裾をつかんで捲り上げ、そしてショーツをずり下して脱いだ。すると泉美がそれを奪った。
「ステージが終わるまで私が預かっておいてやるよ。さあ、行こう」
「はい」
 楽屋に戻ると、ちょうど私たちの出番で、みんなでステージに向かうところだった。私はノーパンの股間がすこすことして気持ち悪かった。と同時にたまらなく恥ずかしかった。顔が真っ赤になるくらいに。
 ステージでも観客の視線が私のスカートの下腹部のあたりに集中しているような錯覚に襲われた。泉美が言っていたとおり、こんなロングスカートなのだから、ノーパンであることは誰にもわかるはずがない。しかしスカートの薄い布一枚でマンコを隠しているだけというのは、もうマンコを露出して見せているのも同然に恥ずかしく惨めだった。だがその奥で、ひしひしと喜悦に震えている自分をも感じた。
 上海合唱祭はたくさんの合唱団が出演するので、私たちの出番は十分ほどで三曲歌うだけだった。しかしたったそれだけの時間で、私は今までに経験したこともないような恥辱と屈辱、そしてその裏返しの喜悦と歓喜を味わった。マンコがじんわりと濡れてくるのも感じた。
「どう? 感想は?」
 ステージが終わって、ショーツを返してくれながら泉美が訊いた。
「ものすごく恥ずかしかったです。でも、ものすごく嬉しかったです」
「だろうね。今日は、まあ、この程度のソフトなプレイで終わってあげるけど、だんだんとハードに調教していくから、お前もその覚悟でいろよ」
(え、まだやるの?)
「どうぞよろしくお願いします、泉美様」
 頭と心がまるで別々の反応をしていた。そして口と体は心の方に忠実だった。
 なお、泉美との絶対的な主従関係を前提としたこの性の遊びを、私たちは今後「数学のお勉強」と呼ぶことにした。


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