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「数学のお勉強」
【SM 官能小説】

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第一章-3

 一年生も終わりに近づいた二月三日の夜、突然私は桃園女学院の自由放任の校風が虚しく感じられた。制服がなく私服で、服装も髪型も自由。この自由という言葉がなんと虚しく響いたことか。
(もっと管理されて拘束されたい)
 だが私はそんな心の声をすぐに打ち消した。
(私は桃園女学院の自由の校風に憧れて、あの学校に行ったはずよ)
 私はもういたたまれなくなって、親友の北見美鈴にかなり錯乱したようなメールを送った。するとしばらくして返信が来た。
『そういう意味では、彩香も偏差値だけで桃園女学院に来たんだね』
『いや、それは違うわ』
 美鈴の見当違いなメールに、私は即座に否定のメールを送った。偏差値だけで選んだのなら、もっといい学校、例えば同済中学に行っていただろう。私は桃園女学院の自由な校風に憧れて来たのだ。
四月から新学期が始まり、私は十四歳になり中学二年生になった。クラス替えがあり、合唱部の関係では北原泉美と同じクラスになった。


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