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ざくろの昼下がり
【熟女/人妻 官能小説】

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ざくろの昼下がり-3

「じゃあ、帰りに偶然を装ってバーガーにでも誘っちゃえ。」

「そんな誘いに乗ってくれるぐらいなら、媚薬の意味ないじゃないか?」

「だからだよ。もしも媚薬が効いてるなら、誰かれなしに男の誘いにも乗るって・・・そうじゃないか?」

僕は心底それはないと思っていたが和孝の作戦は次の日にも実行された。

「ちょっと待てよ、なんで僕なんだよ!?」

「お前が作ったんじゃないか、そりゃお前に権利があるさ。」


権利もなにも、僕はそんな事までしたくはない。
それ以前にどうもこうもない。当然の事だが、女子部室には鍵が閉ざされていた。

「せっかく学校まできたのに残念だったな。」僕は半ばそう言って胸の中でホッとした。
なのに和孝は至ってあきらめが悪く、部室の裏に回るとどこからか剥がしてきたガムテープをガラスに貼りそこに石をあてておいて、その底部を別の石で叩き割る。

鍵の部分だけが音もなくピシッと割れる。
破片が落ちないように注意深くテープを剥がすと外から鍵を外し、窓は開け放っておく。
もと通り閉めたらガラスが割れてる事がバレてしまうからだった。
実行は結局、和孝がして僕は外で見張ってる。
そんなところに突っ立ている方がずっと不審者なのだ。



僕らは水泳部の部活が終わるまで待って様子を伺う事にした。
水泳部も昼過ぎには解散して下校するはずだ。
その後で平然と中西雅美の後をつければいい・・・そう思った。
ところがこれが数人の女子の下着に不審なものが塗り込まれていたと大騒ぎになった。
窓を破った事もすぐバレた。

ほどなくして警察までやってきて僕らは残った媚薬を隠し持ち、早々に逃げ帰る。

「お前、何人に塗り込んだんだよ?」

「どれが中西の服だか暗くて分かんないし、こういう事は可能性高い方がいいと思ったんだよ。
 何かの都合で中西を見失っても他の女子を誘えるじゃないか。」

誰が追ってくるでもないけど、学校を出ると僕らは足早にそこを立ち去った。
電車に乗り込んでも妙な緊張感に包まれて、僕らは互いに無言だったがいよいよ駅に近づいてから和孝が口を開いた。

「この薬・・・本当に効くのかよ?」

「分からないからこんな事になったんじゃないか。こりゃ、ちょっとマズいかも知れない・・・」

「大丈夫だって、夏休みの学校なんて誰が何の目的で来てるのかわかりゃしないんだから。それより・・・」

「それより?・・・」

「試す方法はない事も・・ない・・・」

そう言って和孝は車窓の見慣れた風景に目を向けて物思いに耽っていた。

僕らは下車するはずの駅を降り過ごして、さらに移動を続けた。
そして、とある町に下りて30分ほど炎天下を歩き、途中のコンビニでたまらなく買ったアイスは格別だったがバスに乗ればそれよりずっと快適だったに違いない。


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