反省-1
その晩、アリサは伯父の布団で眠った。伯父の枕を嗅いだら、怪我をさせてしまった償いがしたくなった。アリサはパジャマのズボンに手を入れ、男と違う形を辿りながら呟いた。
「パンツなんて、いつも伯父さんに上げて、新しいのを買ってもらえばよかったんだ。何よ、こんな所。」
伯父の指になぞらえて、深く差し込んでみた。痛みに構わず中指と人差し指を捩じ込んだ。伸びていた爪が中を傷付けたのか、抜いた指には血が付いていた。指を嗅いでみると、ひときわ伯父が思い出され、あまり淋しくて、あしたは病院に泊まろうとアリサは思った。
翌日、アリサは遅刻、ソフィヤは学校を休んでいた。担任の話では、ソフィヤは熱があるそうだ。普段と異なることがあると調子を崩すのでよく知られた子だったから、塾で何かがあったのだろうとアリサは考えた。
放課後、一度帰って寝袋を持ったアリサは病院へ向かった。簡易ベッドを用意してくれた若い女の看護師が、伯父の再手術のことを教えてくれた。看護師はアリサを気遣って
「おじさんは、いじる癖があって、悪くしちゃったみたい。」
と言ったが、アリサが質問する際、玉や袋という言葉を平気で使うのを奇妙に思い、関係さえ疑われて
「おじさんは男としてもうダメかもしれないわ。もっと悪くなったら玉も竿も全部切り取るのよ。」
と幾分ひややかに加えた。アリサは青くなった。