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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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情けはいらない…-1

小鳥遊風馬は殺人鬼!

穏やかな朝のHR前の空気を容赦なく切り裂くように、黒板に実に粗暴に殴り書きされた
そのメッセージ。

これのせいで平穏な教室の空気がどんよりと濁りそして嫌でも耳に入るクラスメートの
止まぬつぶやき声。

「おいっ、これ本当なのかよっ…。」
「そんな、誰かの悪戯でしょ。」
「でも…小鳥遊君、柊さんを追っかけてるって噂らしいけど…。」
「えぇー、それってストーカー!?やだぁー。」
「だけど殺人鬼って、柊の奴、今もピンピンしていやがるぞ。」
「…そういや柊さん、あの佐伯君と付き合ってるって噂だけど。」
「確か佐伯の奴、ある日突然一週間以上も休んだ時期があったよな。」
「風邪…、じゃないのか?」
「バカね、うちのあたる様が風邪何かひく訳ないでしょ、無論良い意味で。」

自分の事じゃないのに、何故だか鼓動が高まっていく。

「!!っ…。」

そんな友人の様子を察した巴ちゃんが何も言わず私の傍に駆け寄り。

「じゃーまさか柊さんを追い続けた挙句、邪魔な恋人の佐伯を刺して、それで。」
「うっわぁー、これじゃストーカー殺人じゃんっ!」

ストーカー殺人って…。

どういう事?確かに彼らの言ってる事は本当だけど、一体誰が…。

「おぉいっ!柊ぃー♪」
「!!」

ガラの悪い男子二人組が実に野蛮な声のトーンで私に汚い顔で近寄って来て。

「これ本当かよー。」
「お前もやるなぁー、影薄いかと思えば転校生誘惑してぇー。」
「そ、そんなっ!私は…。」

泣き出しそうなのを必死に堪える。

「おいっ!どうやってアイツすそのかしたんだよっ!」
「いけねぇーなぁー、佐伯ってモノがありながら二股掛けてぇー♪」
「可愛い顔してやるなぁー♪ねぇねぇ!だったら俺とも付き合ってよっ!」
「あっ、ずりー!だったら俺とも!」

何だろう、頭がクラクラしてきた…。

ドガッ!バタァーンッ!

「!!」

空気を斬るように凄まじい勢いで近くの机が倒れる音を耳にする。

見ると、倒れた机の上に巴ちゃんの片足が。

「あーあぁ、男ってほぉーんとバカッ!デリカシーの欠片もない糞餓鬼!」
「なっ!」

般若のような形相で、そのまま男子の胸倉を乱暴に掴み言い放つ。

「だったら…何?人のプライバシー引っ掻き回して。」
「う……。」

言いたい事を終え、彼を軽く突き飛ばし、私の腕を掴み教室を後にする。



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