情けはいらない…-4
「いやー、助かりましたぁー佐伯君。」
「ったく、ヒヤヒヤさせやがって!」
それから朝の騒動は静まり、ちょっとした気分転換と私、巴ちゃん、それに佐伯君と
昼休み学校の中庭をゆったりとした足取りで散歩する。
「にしてもどんな風の吹き回し?アイツの肩持つ何て…。」
「それは…。」
「もしかして、アイツの事許そう…とか思った訳?」
悪戯っ子のように首を傾げ、心にもない質問をする。
「まっさかー!アイツが柊さんにした事、未だに忘れてないぞ。」
「ならどうして?」
「無論、言うまでもないだろ。」
私の為…、て事。
「俺さ、思うんだよね…相手の事を思うって事は相手が本当に願っている事をしてやる事だって…。」
「……。」
「もし連が仮に君らに許されない危害を加えたら、きっと被害届けを出すのに躊躇する」
「佐伯…君。」
「アイツ、ちゃんとやり直せるといいなっ!」
にこっと太陽のような笑顔を見せ、私は感情が高ぶり思わずぎゅっと抱きしめる!
「!!」
「好きっだぁーい好きだよっ!」
「柊…さん。」
「私、君の彼女になれて本当に良かった。」
そう言うと私の背中に彼の暖かい両手の感触を感じる。
「ふっ、昼間っからあっついねぇー。」
私と佐伯君は時も場所もわきまえずいちゃついてしまった。
「…あ。」
すると、巴ちゃんが声を上げ、前を向く…すると。
「風馬…君。」