情けはいらない…-3
「おぉーいっ!このストーカー野郎っ!これは事実何だよな?」
「……。」
「恐ぇーなぁ、そんな犯罪者がこの教室に存在する何て。」
「………。」
男子達の心無い口撃に一切動じない風馬君。
「おいっ!黙ってねーで何とか言えよっ!」
「…。」
「…まっいいさ、こうなりゃ当事者に、おっ!柊に伊吹!なぁなぁ!」
調子に乗りに乗って私たちを見かけ近寄ろうとする、しかし。
「こいつは殺人鬼何かじゃねぇっ!」
「!!」
聞き覚えのある勇ましい声が向こうから聞こえる。
「佐伯…君。」
そう言い放つと、風馬君の近くに寄り。
「佐伯っ!」
「お前ら、バカじゃねーの?一人によってたかって、下らない好奇心抱いて。」
「で、でもっ!お前…刺されたんだろっ!?醜い愛憎劇によって…。」
「刺される?おいおいー、もしそんな恐ろしい事が本当だったらこいつは今頃少年院行き
だろうさ。」
「なら、どうして一週間も学校休んだんだよっ!」
「風邪だよ、風邪っ!この時期流行ってるしな、それに部活を少々無理してたからな。」
あの佐伯君が…、風馬君をかばってる…、一体どういう事?
彼の言ってる事は無論全てがデタラメ、けど周囲の人間を嘘と思わせないような筋の通る
説明にも思える。
「そうよねぇー、ドラマじゃあるまいし。」
「あぁーん!本当に風邪だったのぉー、だったらお見舞いに行きたかったぁー♪」
女子達は薄々信じ始めてくれて…。
「くっ!だったらストーカーの件はどうなんだよっ!」
「ストーカー?」
「あぁ!何か柊をしつこく追い回してるって噂だぞっ!」
「……。」
「へっ!これは幾らなんでも無理だろっ!周りの連中がみーんな見てたぞ。」
「確かに、嫌がる若葉ちゃんを追っかけてたような。」
ここに来て、女子からの加勢。佐伯君が彼をかばっている時からじっと鳩が豆を鉄砲を
食らったような顔で佐伯君を見ている。
「確かに…、柊さんにしつこくはしてた。」
「ほぉーら見ろっ、じゃやっぱり。」
「だったら、何だ?」
「え…、いやだって。」
「好きな奴にちょっとしつこくしたくらいでストーカー犯って事になるのか?…だったら
周りには多くのストーカーが居るって事になるだろ」
「だがっ!」
「こいつ、実は柊さんの幼馴染何だ、それで少し好意を持っていたのだけれど接し方が
分からないだけだ、それで…。」
その話はまさに私が佐伯君達に話したのをほぼ同じ。
「だから、全ては誤解何だよ、分かったっ!?」
「い、いやっでも。」
「いい加減にしなさいよー、当事者の彼がそう言ってるんだからそうなんでしょ。」
「そうよー、その説明だって筋が通ってるじゃん、嘘言ってるように思えないよ。」
「ううっ…。」
「いやーねぇー、因縁つけてー。」
男子、敗北…。