ひとり-2
水曜日の夜。
タクミは夕飯の味噌汁をすすりながら話す。
「その女医とは、もう会ってないの?」
「 、 女医 ?
、 あ 。
、、、んーと、お店に買い物に来てくれたよ。
私が20才ぐらいの頃かなぁ。
先生、息子さんと買い物してたみたいで。
少し話した。」
「、、ふーん。」
「病院通ってた頃から、
4年も経ってたのに先生、私の事覚えててくれてたの。
『やっぱり常盤さんだ!』って。
、、あれは、嬉しかったなぁ。」
「、、へー。」
「先生は、本当、
完璧な大人だった、、、。
仕事して、それがしみじみ分かったよ。」
「何を?」
「なんてゆーか、、。
私は接客しててワガママなお客さんとか来たら、その後へこんだりイライラしたり、しちゃってたけど、、。
先生にはそれがなかった。
いつも、前向きで、完璧だった。」
、 、 1年通って、先生がイライラしたりへこんだりしてる所は、1度も見た事なかったもんね 、 、 。
ワガママな患者や困った患者も、いたはずなのに 、 、 。
『風邪気味でノド痛いのよー!』
って、マスクして診察してた事はあるけど、、。
ちづるはそんな先生の姿を思い出し、ふっと笑った。
それを見てタクミは言う。
「、、、やらし。
レズだよ、やっぱり。」
「、っ、、違うよー!
女の子は、女の人に憧れる時期があるもんなんだよ?
男のタクミ君には、分からないよ。」
タクミはちづるをじっと見る。
「、、、したでしょ?」
「 え ? 」
「その女医の事、考えてオナニー。
したでしょ?」
「っ、!、、、、
、、、、、、、してな
「嘘。」
いよ。 、、、してないってば。」
「はー、、、。
本当さー
もうちょっと上手になってくれない?
嘘つくの。」
「、、、、本当に、してない。」
「本当?」
「本当。」
「、、、、、なら、いーけど。」
ちづるは胸にチクリと罪悪感がした。
でも、 、 また引かれたら、
嫌だもん ね 。
「オナニーは、してもいいと思うけど。
女医は 駄目。
ってか、女は よくない。
本当に変な人に、なっちゃうからね?」
「、、、、、。
でも、、ほら、、、
女の子はボーイズラブ?
の漫画とか、読むじゃん?
私も詳しくないけど。
そういうの読んでも、本当のゲイの人がいたら引いたり、、するでしょ?
本、、みたいな感じと同じじゃ
「違う。」
ない?
、、、えー、、、そうかなぁ。」
「あのねー。
実在する女を思ってオナニーだよ?
全然違うでしょ?」
「、、、、かなぁ、、?」
「しちゃ、駄目。
レズになる。 絶対に なる。」
「、、、、、、分かっ た、、。」
昨日しちゃった、 、 なんて、
言えない、 、 。
2人はそのあと、SEX をした。