友達 2-2
タクミはシャワーを浴びながら、考える。
、 、 そういえば、 、
ちづるの洋服を、思い出す。
部屋を思い出す。
考えてみると、皆、派手ではないが色使いが綺麗だった。男のタクミから見ても、センスがいい事が分かる。
単に、洋服や雑貨が好きなだけだと思ってたけど 。
店長 か 。 納得 。
でもあんな、ぬけてる人が店長、、。
って、ぬけてるのは性の事、だけか?
タクミはシャワーを浴びながらふっ、と笑った。
そういや、ちづちゃんの、旦那、、
『んー?お洋服屋さん』
前に、言ってた。
職場恋愛で結婚したのか。
タクミはシャワーを終えて、服をきて、髪を整える。
7時すぎに、ちづるの家に来た。
チャイムを鳴らすと、中からちづるは鍵を開けた。
髪をおだんご頭にしているちづるは笑って
「さっきは、びっくりしたね。」
と言った。
まだ、風呂には入ってないようだった。
紺色の、カジュアルなワンピースを着ている。
タクミは靴を脱ぎながら話す。
「店長さーん、お邪魔します。」
「、、もう店長じゃないんだけど。」
「でもー、なんか、納得ー。
今日のそれもかわいいね。
ちづちゃん、ワンピース好きだね。」
「ありがと。
うん、ワンピースは着やすいし好きかな。」
部屋に入ると、テーブルにはもう夕飯が用意してあった。
いただきます、と2人でいうと、お喋りをしなが食べる。
話題はちづるの洋服屋で働いてる時の事。
そして、タクミの友達の健の話。
合コンで健がショートカットの子を狙ってる、という話もして、2人は盛り上がる。
ご飯を食べ終わり、ちづるはお皿を洗う。タクミはテレビを観ていた。
お皿を洗い終わる時に、ちづるが言う。
「今日は、泊まる?明日テストなら帰ってお勉強?かな?」
「泊まりたーい。
勉強、まだちょっとあるけど。」
「そっか、じゃあ、、帰りましょ?」
「えー? 冷たい。」
ちづるはクスクス笑いながら言う。
「学生はー、、、
お勉強が1番、恋愛は2番。 ね ? 」
タクミは子供扱いされた事に少しムッとした。
「、、、あ 。
そういえばさぁ。
使ってる? 綿棒。」
「、、え?」
「ハマってたじゃん ?
1人で使っちゃった ?」
タクミはニヤニヤして聞く。
ちづるは部屋に来て、じゅうたんに座る。
「、、、少し。」
ちづるは気まずそうに言う。
「だからさー、少しの意味分かんないんだけど。
、、あれ、あんまり1人でやらない方がいいんじゃない?」
「、ぇ? なんで?」
「オナニー依存症って、知らない?
やりすぎると、そうなっちゃうよー?」
「、、、依存 症 。」
「そー。その事ばっかり考えちゃったり。生活に支障? みたいなー。」
「、、、、、どれぐらい、かな。」
ちづるはポツリと呟く。
「え?」
「週に、何回ぐらいが、、多い、って事になるのかな。」
「、、、、、。
んー、、 、
女の人なら、
週に1回でも多いと思うけど。」
「、え?、 、、、。」
ちづるの目が泳ぐ。
「あー、綿棒使って、
いっぱいやっちゃったんでしょ?」
「、、、、 、 。」
「やっぱり、分かりやすいね、ちづちゃんは。」
タクミは小さなため息をついた。
「依存症は怖いからさぁ。
したくなったら、俺を呼んでよ?」
「、 、え? でも、、、」
ちづるは考える。
自分が、我慢出来なくなったらタクミを呼ぶ。
やっぱり、それは、申し訳ない気がする。
「でも、やっぱり、それは、、、
悪いから、、。」
「何が?」
「、、したくなる度に呼ぶのは、ちょっと、、。
タクミ君だって学校もバイトもあるし、疲れちゃうよ。きっと。」
「大丈夫ー。若者だから。」
「、、、週4とかに、なっちゃったら?」
「 え? 週4?
もしかして、週4でオナニーしちゃった?」
「 ぁ、」
ちづるはうつむく。
タクミはまた、小さくため息をついた。
「気を付けなきゃーね?
依存症、、。
おいで?」
ちづるはタクミの隣に座り、頭をタクミの肩に乗せた。
また、漠然とした不安に襲われる。
普通じゃない。という言葉にプラスして、依存症、という言葉が重くのしかかる。
ちづるが不安になっている事は、表情で分かる。
「、、不安? 」
「 ん 、、少し、、。」
「大丈夫だよー。
前にも言ったでしょ?
俺、人に言わないし、、。」
「うん、、。」
そのあと、二人はSEX をした。
タクミは勉強の為、家に帰った。
ちづるはお風呂に入る。
お風呂上がりにソファーでテレビを観る。
「、、 、 、 。」
依存 症、 、
あ、 そうだ、 、 、 。
ちづるはスマホを手に持つと、ネットでこの言葉を検索した。
【オナニー依存症】
検索結果は、驚くほど沢山でてきた。
ちづるは、ほとんどすべてのページを開き読んだ。
気がつくと3時間、読んでいた。