〜 家庭科その7 〜-4
……。
次は私の番です。 どんなものかドキドキしながら待っていると、先輩が取り出したのは紺色のシックな『ヘアバンド』でした。 プラスチック製の馬蹄形をした装身具で、拡げながら耳の後ろに回し、髪全体をまとめます。
ヘアバンドが象徴するイメージは『爽やか』だそうです。 旧世紀にもてはやされた牝の一部が毎日カチューシャ――ヘアバンドを意味する和製英語。 世界的にはカチューシャにそんな意味はない――をつけて元気に振舞ったため、定着したイメージです。 ということでヘアバンドをつける際は、表情を明るく、頬は笑顔です。 表情を明るくしたり笑顔を浮かべたりして、元気で爽やかな雰囲気を醸し出す努力が必要になります。
爽やかな表情を作るとして、その上で、下半身はどう振舞うか、ですよね。 課題になるのは。
私たちの本性は淫らで卑しい牝ですから、爽やかさとは縁遠い存在です。 そのため牝を象徴するクリトリスをフル勃起させることで、ヘアバンドの効果を強調することになっています。 フル勃起ですから、単に包皮を剥き、シコシコとくじいて膨張させたくらいじゃ済みません。 片手でクリトリス全体を指の圧力で摘み潰し、クリトリスが千切れるくらいまで引っ張っります。 その上で開いている手でもって伸ばしたクリトリスをしごきまくれば、摩擦で腫れたクリトリスが勃起します。 優しく弄って勃起させた体積と比べ、1.5倍以上に膨らませて初めてフル勃起と認定されるため、痛かろうが辛かろうが手加減の一切はご法度だそうです。 ちなみに、ちょっとでも辛そうな顔をすれば、その場で『ヘアバンドに相応しくない』と判定され、不合格になるんだとか――つまりとんでもない激痛で自分自身を苛みながら、あくまで笑顔を続けろというわけですよね。
ヘアバンドを嵌めた私は、ジロジロと様子を伺う先輩方に、必死に作り笑いを浮かべました。 そのまま両手を膣に宛てがい、言われた通りにクリトリスをしごきまくりです。 摘まんだだけで性感の電流が走るような、身体で一番敏感な部位を、とにかく力を込めてしごき、ねじり、摘み、擦り……強すぎる刺激でベソを掻きながら弄り倒します。
真っ赤になったクリトリスの大きさに関しては、先輩方からは合格を貰えました。 十分腫れているし、フル勃起といって差し支えない、とのことです。 パンパンになったクリトリスは、そこ風が当たるだけで膣全体が痺れるっていうことを知りました。 ただ表情の方はクリトリスのようにはいきません。 表情そのものがぎこちない上に、涙を浮かべた点が致命傷となって不合格でした。 そりゃそうですよね……どんな時でも泣いちゃお終いです。 もし次にヘアバンドを嵌める機会があれば、もう少し想像力を工夫しなくちゃいけません。
……。
【B22番】先輩は小さなイヤリングを22番さんの耳に付けました。 ピアスではなく、ネジで耳たぶに留めるタイプです。 イヤリングの起源は『奴隷身分』を示す証拠ということで、私たちに相応しい装身具といえましょう。 ちなみに学園に『ピアス』はありません。 耳に穴を開けてしまうと修復に手間がかかりますよね。 学園では『傷が残って元通りにならない』類の処置は、通常のカリキュラムには含まれてないです。
奴隷といえば、主人に絶対服従する存在です。 服従といえば、隠し事をしないこと。 そういうわけで、耳のイヤリングを強調する所作は『鼻の穴を拡げる』でした。 片手を頭の上から回し、鼻孔の上端に人差し指と中指をひっかけて真上に引っ張ります。 もう一方の手は顎にあて、鼻孔の下端に指を宛がい真下へ向けて伸ばします。 先輩によると、鼻毛の一本一本が正面から見えるよう、鼻の穴をめいいっぱい広げた上で顎をあげるのが嗜みとのことでした。
いつものことですが、22番さんは先輩の指示に対して嫌がる素振りがありません。 淡々と両手を自分の鼻の穴に突っ込み、見ているこっちが痛くなる程引っ張っります。 小さな鼻の穴が拡がって、ビー玉が嵌るくらいになりました。 さらに顎をもたげたため、鼻毛の叢(くさむら)が私にもくっきり見えます。 先輩方は『意外と鼻毛が薄いね』『鼻クソが多過ぎです』なんて、容赦なく論評しています。 けれど22番さんは、恥ずかしがる素振りを見せません。 如いていえば引っ張った鼻孔と同じくらい頬を赤らめていたのが、もしかして恥ずかしい感情の発露かもしれないです。