JK木村早苗のパンティ-2
こうして俺は<マスノート>を手に入れた。
本当は、<カノジョができるノート>とか<女の子とデキるノート>とかが欲しかったんだが、俺の場合はこれらしい。
「ノートの枚数は10枚。1ページつき、ひとつの願い事しか書けないから注意するように」
「てことは、願い事は10個ってことですか? 少なっ!」
「このくらいが適当でいいんだよ。サルはオナニーを覚えると死ぬまでやり続けると言われているが、君たち人間もマスノートの素晴らしさを知ったら、欲望が無限に広がって死ぬまでオナニーしてしまう」
「そ、そうなんですか?」
「では、実際にノートを使ってみようじゃないか」
どうやらデュークはノートの使い方を教えてくれるらしい。
俺はノートを開き、ボールペンを手に取った。
ちなみに俺の名は山上海人(やまがみ・かいと)、都内の某私立大学の二年生だ。長野の田舎から東京に出て来て、ひとり暮らしをしている。
「まず、オナネタを何にするかだが、お前は女の子の何に興奮する?」
「……んと。普通ならおっぱいとかオマ×コなんでしょうけど、俺はイマイチなんですよね。やっぱパンティかな」
「そうだと思ったよ。さっきお前が押し入れに隠しているAVを確認したが、『パンチラ女子高生100人』『OLのパンチラ8時間』『街でパンティを見せてくださいって頼んでみた』とか、そんなのばかりだったからな」
「み、見たんですか!?」
「別に恥ずかしがることはないぞ。これまで俺はいろいろな男にマスノートを渡してきたが、お前のような嗜好のやつは多かった。で、次は誰からオナネタをもらうかだ。お前は、いつも誰でオナニーしてる?」
「ええっ、そんなことを教えなきゃならないんですか!?」
「そこらへんのおばさんからもらってもしょうがないだろう?」
「それはそうですけど」
「じゃあ、教えろ。誰の名前をマスノートに書く?」
言われて、最近のオナニーの相手を思い浮かべてみた。
バイト先の木村早苗ちゃんと森村いずみさん、近くのコンビニの女性店員さん、以前、盲腸の手術で入院した時の看護師・吉永さん、高校の時にコクってふられた佐々木詩織、同じ大学の島本真弓さんと小川瑞穂と、アイドルでは西村みゆきで、グラドルでは水月美奈で……。
「……その様子だと、ずいぶん、いっぱいいるようだな?」
デュークが、俺の表情を読み取って、呆れた声で言った。
「だってオナニーは自由なんだから、いろんな女の子とヤッた方が楽しいじゃないですか?」
「その中でもオナニーの回数が一番多い子がいるだろう? あるいは一番萌えた子とか」
「そうですね〜。みんな、それぞれによかったし、全員が俺の嫁なわけで、誰かを選ぶなんて出来ないんですよね」
「俺の嫁?」
「そうです。妄想の中で彼女たちは全員、俺の嫁なんです。それぞれに設定もあるんですよ。JKの木村早苗ちゃんはバージンって設定で、いずみさんはやさしくセックスを教えてくれるお姉さんって設定で、コンビニの店員さんはすごくエロいって設定で…」
「もういいわ!」
ツッ込まれて、パシッ! と頭を叩かれた。
死神に叩かれるのって結構、痛い。
そして五分後、俺は自分の願望をマスノートに書いた。
具体的には、いつ誰にオナネタをもらうかだ。
誰にもらうかは、嫁たちの名前をチラシの裏に書き、目をつむって指さした女子にすることにした。
いつもらうかは、みんながハッピーな日だから、俺にも何か恩恵があってもいいと思ってクリスマスイブにした。
「よし、これで完了だ。当日を楽しみにしてろよ」
「本当にこれでオナネタが手に入るんですか?」
「ああ、死神の俺を信用しろ」
「これで命をとられるなんてことはないでしょうね?」
「大丈夫。お前が俺に支払う報酬はザーメンだ。お前のザーメンが俺にエネルギーを与えてくれるんだ」
「なるほど。そういう設定ですか」
ザーメンをエネルギーにする死神って、おかしな気がしたが、とりあえずデュークの言うことに乗ってみることにした。
何だかちょっと楽しみだ。
でも、問題もあった。
デュークはドロドロに濃い精液が好みということで、10日間のオナニーを禁止されたのだ。毎日、必ずオナニーをしている俺としてはかなりの苦行だ。でも、彼女のあれをもらえるのなら、少しの我慢は仕方がない。