ファミレス-1
ちづるは、茶色のポーチからローターを取り出そうとしていた。
スマホが鳴る。
、 ? 、
「もしもし?」
「あ、ちづちゃーん? こんばんは。」
「うん、 どしたの? 」
「ラインきたからー。気になって。
なんか、用事だった?」
「んーん。
なんとなく、ラインしただけなの。
ゴメンね。
タクミ君、外でしょ?」
「んー? うん、。
ねー、本当?
、、、もしかして、ムラムラしちゃったんじゃなーい?」
、 、 鋭い 、 。
「違うよ。本当にラインしただけ。」
「ふーーん、 、 。
ね、今から行っていい?」
「え、? なんで?
、、友達といるんでしょ?」
「でもー、もうずっと遊んでたし。
そろそろ帰ろうと思ってたから。
ね? 行くよ。」
「、 、 ん、、、うん、、。
でも、無理しないでね?
お友達にも、悪いし、、。」
「なんかー、皆もそろそろ帰る感じだしー。
あ、行くまで1人でしちゃ駄目だよ?」
「、 、 、 うん、。」
「、 、 やっぱり、
ムラムラしてたんじゃん。」
「、っ、!、、」
「ちづちゃんてー、分かりやすーい。
すぐ行くね。」
「、 、 うん、。」
タクミは電話を切り、席に戻った。
友達に言う。
「俺、そろそろ帰るー。」
タクミの男友達が言う。
「え? なんで?」
「夜だしー。眠いしー、 、 。」
「明日、日曜なんだからいいじゃん。」
「ちょっとー、、 、
人と、会うから、。」
「え? 女? あ、由佳?
別れたんじゃないの?」
「由佳じゃない、。」
「え、彼女!? 誰よ?」
「えー、、 、秘密ー。」
「はー!? なにそれ、、。
せっかく皆いるし、あと10分だけ居てよー。
ねぇ、タクミ君、そろそろ帰るって〜。
最後にタクミ君に、
聞きたい事ある人〜 いる? 」
女の子達も、タクミが帰る事を寂しがっている様子だった。
ショートカットのかわいい顔をした女の子の1人が、こう言った。
「じゃーあー、
皆に聞くから、順番に答えてね。
定番ネタだけど〜!
甘えるのが好きか、甘えられるのが好きか。
じゃーあー、健君から〜!」
1人づつ答えていく。
タクミの友達も、女の子達も、盛り上がっている様子だった。
、 、 、。
あ。
そーだ 、 、 。
タクミはテーブルの下でスマホを持つと、ちづるにメッセージを送った。
【好きなエロDVD 、観ててね。】
ちづるから返信がきた。
【分かった。】
【1人でしようと、してたんでしょ?】
【んー、、 少し。】
【少しの意味が分かんないんだけどw
ちづちゃんは、
やっぱ性欲強いよねー。】
【強くはないってば(>_<)】
タクミはスマホを観て、ニヤニヤしてしまいそうになるのを噛み殺した。
「タクミ君の番だよ!」
ショートカットの女の子がそう言い、タクミはハッとした。
「、、ん? あー、俺?
えーと、甘えたいか?
甘えられたいか? だよね、。
んー、 、と、 、 、」
ふと、ちづるの声が聞こえた。
『、、、、、抱っこ して、、』
、 あ 。
「、、、甘えられたいかなー。」
「そーなんだ〜!」
「じゃあ、、俺、そろそろ行くわ。
またねー。」
タクミはお金を置いて、店を出た。