PALIHALI-2
リアルな夢だ。 景色は鮮明で、音も香りも鮮明に感じる。
僕は大きな鳥居の前にいた。
どこかで見たことがある鳥居だ。 突如、天からの眩しい光が僕の目の前にふりかかった。
!?
!?
初老の男と20代後半の女性が現われた。
「おぬしのことを見ておった。どうしようもない程の悲しみを抱えておるな」
初老の男は続けた。
「今からわしが言うことをおぬしが達成できれば、願いを叶えよう。ただしできなかった時は死んでもらう。魂の消滅じゃ。二度とこの世にもあの世にも存在できなくなってしまう」
「あなたは誰ですか!?いきなりそんなこと言われたって・・・・・・・」
「わしは大字翁、こっちはピートじゃ、わしらは死神である!おぬしにやってほしいことはこの三つの袋の中に入っておる。どうじゃ?損な契約ではないはずじゃが?死んだ妻に会いたいんじゃろ?」
核心を突かれた。
生きる道標を無くした僕に、迷いはなかった。
「もう一度、真琴に逢えるのなら、やります!」
鋭い眼光を僕に向けながら、大字翁は言った
「ならば、契約の印を結ぼう、ピートや契約の書を」
何かを翁は紙に書きなぐり、その端を僕に差し出した。
「そこにおぬしの血を」
というと翁の指が素早く僕の腕をかすめた。
血が流れる。皮膚が切れた痛みはなかった。
「これで契約完了じゃ!
ちなみに三つの袋の契約が達成するまでおぬしが目覚めることはない。達成できなかった時は文字どおり永眠となっていただく。」
それだけ言うと翁は袋を渡して消えてしまった。