〜 家庭科その3 〜-1
〜 2番の特訓 ・ 家庭科その3 ・ 家電 〜
ホワイトボードに描かれた大きな部類に属する家電、いわゆる『白物家電』。 私たちは『白物』の一部(パーツ)として振舞うことが求められるそうです。 ちょっと、意味はよく分かりませんが、付属品或はコントローラーの役割が与えられるとのことでした。
先輩方も、私や22番さんが途方に暮れているのを察してくれたようで、すぐに具体例に移ります。 最初に説明してくれた『白物』は、洗濯機。 寮にある洗濯機よりも一回り大きな、乾燥機がついた『ドラム式洗濯機』でした。
「洗ったり乾燥させたり、そういうのは『本体』がやってくれるよ。 お前たちは『洗剤タンク』と『柔軟剤タンク』になるの」
「にに達が使う洗剤って、オマンコのお汁に含まれるバルトリン腺液があって初めて活性化するです。 洗濯機用の洗剤も例外じゃないです」
「柔軟剤もね。 だから洗濯中は洗濯機の『洗剤タンク』にオマンコをピタッと密着させておくんだ。 予め洗濯物の分量に合わせて、オマンコに『洗剤』を、アナルに『柔軟剤』を入れておくこと。 で、洗濯機のモニターが『洗剤追加10mL』とか『柔軟剤追加20mL』っていう具合に教えてくれるから、それに合わせてオマンコやアナルを開閉して、薬剤を追加すればいいよ」
「洗濯機ってすごく振動するし、乾燥中は熱くなるし、密着するのはしんどいんです」
「かといって一度下半身が離れちゃうと、洗剤を入れる穴と私たちの穴がずれちゃうから、我慢してへばりつくしかない」
「そーゆーことです。 あとは規定の量だけピタッと洗剤を送れるように、5mL単位で区切れるようになれば大丈夫です」
サラリと凄いことを要求している事実に、先輩方は気づいているんでしょうか? 5mL単位で胎内から液体を機械に流し込むって……いや、理科の実験で鍛えられてますから、出来るっていえば出来ますけど……。
「えーと、これは『食器洗い機』、略して『食洗機』だね。 大まかなとこは洗濯機と変わんないか」
戸惑う間も碌に与えてくれず、先輩方は次の絵に移ってしまいました。
「はいです。 普通と違うところっていうと、如いていえば、食器を仕舞う時は綺麗に舐めてから収納するトコです」
「ただ舐めるだけじゃダメだよ。 一度オマンコからお汁を掬っておいて、口でクチュクチュさせて、泡立ててから食器を舐める」
「食器にオマン汁をつけるためです。 洗剤が食器のオマン汁で活性化して、汚れを落とすっていう寸法です」
「汚れを手でとっても良さそうって思うでしょ? 汚れっていっても元々は食材なんだから、洗うには舌の方が相応しいんだってさ」
「食器を収納したら、粉末洗剤を膣で溶かしてから洗剤タンクに入れます。 零さないよう頑張って、思いきり腰を揺するといいです。 定期的に洗剤を送らなくちゃいけないから、腰を離しちゃいけないです」
「洗剤タンク越しに、オマンコにもお湯が掛かると思うよ。 食洗器って80℃のお湯で洗ってるから、相当キツいのは覚悟しとくように」
80℃……熱湯といっても差し支えない温度です。 膣の分泌液を口に含んでから食器を舐め洗いするのは、卑しくミジメなものの、難しいとは思いません。 しかし80℃のお湯を膣で受け止めて耐えるというのは、正直かなり厳しくないですか? 一瞬だったら耐えられるかもしれませんけど、何度もお湯がかかるとしたら、間違いなく大事になりますよ?
「キツイっていっても『エアコン』に比べたら楽チンです」
「あ〜、確かにね〜。 エアコンは、ほんっっとにキツかった。 あんまり思い出したくないなぁ」
来るべき状況に頭を悩ませる私を置いて、先輩たちの話題は次の『白物』へと進んでいるようです。
「エアコンは設定温度が19℃〜33℃なんです。 『サーバー』と違って人肌が継続的に耐えられる温度なんです。 これってどういうことか分かるです?」
「わっかんないだろうなあ。 要するに『室外機と一体化してエアコン役』をやらされるんだよ。 鼻からチューブを1本身体の中に通して、お尻から出して室外機につける。 これが部屋の暑い空気を外に出すチューブだよね。 で、室外機から冷媒を通して冷やした空気を屋内に運ぶチューブを、今度は肛門から通して口から出すの」
「にっくが喋ってるのは『夏の冷房』の話です。 冬だったら逆になります」
「冷媒の温度調節は舌で出来るようになってる。 部屋の様子を考えて、温度をどうするか、風をどっちに送るか考えて動かなくちゃいけないのが『エアコン』なんだ。 リモコンなんてないから、室内を常に最適にするには、自分の身体を庇ってなんかいられない。 誰かが入ってきたら冷媒をマックスにして、丁度いい室温になったところで止めなくちゃいけないんだけど……身体中がキンキンに冷えたら頭がボーっとしちゃって、中々上手くいかないんだよねぇ」
「そりゃそうです。 顔やお尻は熱いくせに、お腹の中だけ激寒なんて、マトモじゃないです」
「スタンバイするのに掃除機より時間がかかるから、そんなに『エアコン』を実演する機会はないと思うけどね。 もしあったとしたら覚悟しなさい。 いろんな電化製品の中でも、私としては断トツでエアコンが最悪だよ」
「にに的にも同感です」
「一回エアコン役にされたら、ずっと放置されるっていうのが嫌なんだよ。 いつ解放されるか全然わかんなくて泣きそうだった。 お腹が冷えてウンチがしたくってたまらないし、壁に嵌った姿勢だから碌に身動きできないし」
「エアコンの効きが悪いと、もっと息を吸えって責められるです。 こっちは鼻の穴をパンパンにして頑張ってるのに、ただでさえ喉にチューブを二本も入れられてるのに、教官は構ってなんかくれないです。 ほんと、教官って真正のサドです」