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サプライズ
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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サプライズ-3



 康太が自分でも驚くミラクルシュートを決めたあの日から、半年。
 二人の交際は順調に続いており、恋人同士の様々なイベントを楽しくこなしながら充実した
日々を送っている。
 もちろん、エッチもした。
 初めての時はあまりの感動と興奮で、何回も動かないうちに射精してしまった。それからも
何度か交わったが、康太はいつもあまり長持ちしないままに絶頂を迎えている。
(そこはちょっと情けないけど……)
 それでも、康太はとにかく幸せだった。
 美奈が自分だけに特別な笑顔を向けてくれる。その事実は何にも代えがたい多幸感を康太に
与えてくれた。
「次は、〇〇町、〇〇町。お降りの方は――」
 車内にアナウンスが流れ、ほどなく電車がホームに停まる。
 降りるのは次の駅。そして美奈の家までは、そこから歩いて五分ほど。
「……むふふふふ」
 康太は頬が緩むのをどうにも抑えることができなかった。座席の老婆に続いて隣に立つ中年
サラリーマンも変な顔をしたが、無論そんなことは全く気にもならない。
 もうすぐだ。
 もうすぐ美奈に会える。
 いきなり訪ねて驚かせて、お茶でもして、いいムードになって、それから――。
「……ん?」
 康太はふと、正面に目をやった。
 逆方向に向かう電車が滑り込んできて、狭いホームにひしめき合うように並ぶ。分厚い窓を
二枚隔てて、向こう側の車内がまる見えという構図になった。
(……おいおい)
 康太の目にいきなり飛び込んできたのは、いわゆるバカップル。
 小柄で髪の長い女が、上背のある男の胸にべったりとしがみつきながら、顔を上げてやたら
キスをせがむ様子が否応もなく視界に収まる。
(ああはなりたくないもんだ)
 康太は己のデレデレっぷりを棚に上げながら、いかにも嘆かわしいといった顔で首を小さく
横に振った。
 自分と美奈は、決してああいう真似はしない。周囲に迷惑をかけないように、節度を守った
付き合い方をしていこう。
 そんな決意を新たにしつつ、康太はもう一度正面のカップルをちらりと見てみる。
「……あれ?」
 男は、よく知った顔であった。


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