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サプライズ
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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サプライズ-4

 西崎潤(にしざきじゅん)。
 同じフォワードで康太の一年後輩にあたる。裏をかく飛び出しや股を抜くドリブルといった
敵をおちょくるプレイが得意な選手だ。いつまでたっても「終わらせ屋」の康太と違い、次の
大会ではエースストライカーの座を手にすることが確実な逸材でもある。
 いかにももてそうなイケメン選手ということで美奈の彼氏候補にリストアップされたことも
あったが、本人のコメントは「まさか」の一言。かといって他に付き合っている子がいるでも
ないため、部内では「潤はサッカーにストイック」という評価がすっかり固まっていた。
(あいつ、彼女いたのか……)
 まるで女っ気のなかった潤がいきなりバカップルの片割れとして現れたことに、康太はごく
単純な驚きを覚えた。
(一体、どんな……)
 悪いとは思いつつも興味が勝り、相手の女を覗き見るように腰を屈め、足の位置を変える。
「――!!」
 だが女の顔が目に入ったその瞬間、康太はかっと大きく目を見開いたまま、石化の魔法でも
かけられたようにその場で固まってしまった。
(……み、美奈!?)
 思わず叫びそうになるのを何とか抑えながら、もう一度確認するように、潤の隣に立つ女を
じっと見つめる。
「や、やっぱり……」
 間違えようなど、あるはずもなかった。
 甘えるように寄り添って、笑いながら潤の持つスマホを覗き込んでいるのは、まぎれもなく
康太の彼女、池田美奈である。
「な、何で……?」
 康太は一言、放心したように呟いた。
 有り得ない。
 あの美奈が。
 美奈に限ってそんなこと、あるはずがない。
「そ、そんな、そんなこと……」
 康太はもう一度、反対側に停まる電車の中を食い入るように見つめる。
 間違いであると、思いたかった。
 他人の空似だと、確認したかった。
 安心して、自分の早とちりを自分で笑ってやりたかった。
 だが、しかし。
「……!」


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