ちづるの思い出 5-1
先生は、会議の始まる直前に、自分の筆箱を教室に忘れた事に気がつき急いで取りに来た。
教室と廊下をつなぐドアには、小さな窓がついている。
中を覗くと、誰かいる。
生徒に『まだ、残ってたのか』と、声をかけようとしたが、様子がおかしい。
「、、!、ぁ、」
少し見て、何をしているのか分かった。
「、常盤、、、」
数秒間、窓から見ていた。
ドアを開けようとしたが、一瞬ためらう。
、っ、、!
いや、教室でこんな事をしてたら
まずい、、、!
もし、誰かきたら、、!
迷いながら、ドアをあけた。
「、常盤、ゃ、やめなさい、、!」
先生も動揺して、こう言う他に、言葉が見つからなかった。
驚いたちづるは腰を抜かし、失禁した。
慌てた先生は、ちづるの側にかけよった。
先生はかがんで、ちづるに話す。
「あ、! 、、おい、大丈夫か!?
、あ、、、、、」
先生はちづるの状況を飲み込む。
ちづるは、あまりのショックに呆然とし、動かない。
「、、、、今、保健室で着替え、借りてくるから。
待ってなさい。」
先生はパタパタと、教室を出た。
一人ぼっちになったちづるは、今の自分の状況を、徐々に飲み込んでゆく。
、 、 、 、 、
先生に 、バレた 、 、
、 、 、 、 、
先生がすぐに戻ってきた。
「これ、トイレで着替えてきなさい。
先生はここ、拭いとくから。」
ちづるは、先生の持ってたパンツと体育着用のハーフパンツを受けとり頷く。
よろめきながら立ち上がり、トイレにむかった。
着替えてる間も、頭の中はパニックだった。
重い足どりで教室に戻ると先生はこう言った。
「、常盤、、。
先生、ちょっと職員室行って、他の先生に会議出れないのを伝えてくるから。
ここで、待ってなさい。
、、それから話そう。」
「、、、、、。」
ちづるは1人、自分の席に座り先生を待つ。
呆然としながら、机のカドを見つめた。
あたし、、何してたんだっけ、、?
ここに、押し付けてた。
、 なんで 、 ?
、 、気持ち よくて 。
でも、 先生、やめなさい、って、 。
、 、私 、 やっちゃ、いけない事、
、 、した 。
先生、きたら、 、 、
謝る 、 、?
謝ったら、 、許して、 、
くれる?
誰にも 言わないで くれる ?
だったら、 、 何度でも 謝る。
何百回でも、 謝る、 、 。
だから、 、 、
その時、教室のドアがガラッと開き、先生が戻ってきた。
「、、、。」
先生はドアを閉め、無言でちづるの前の席のイスに座った。
ちづるはうつむいたまま、動かない。