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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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諦めきれず…-3

「どうりで変だと思ったよ。」
「全くこの私が探偵の真似事とは…。」

町を歩く私と佐伯君と巴ちゃん。

「お母さんが倒れたって騒いで起きながら、病院に連れていかないわ、部屋でゆっくり
休んでいたって、一度も顔見せてくれないで、「うつすといけない」とかで。」
「不審者呼ばわり覚悟で先輩の家をチラッと覗いたら、元気そうに庭で衣服を干してる
オバサンを目にしたわ。」

何と言う事を…。

「風邪は本当らしいぜ、まぁ大した事ないからすぐに治ったけど。昨日オバサンと会った
時に…というか先輩が全て吐いて。」
「それをさも大袈裟にあたるに助けを求め。」
「俺も一瞬何事かと思ったけどな。」
「そうやってあたるを自分のモノにしようとしたんだ。」
「先輩、そこまでして…。」
「確かに…、彼女と付き合っていた時も常に彼女が俺をリードしてたのに。」

思えば不思議だ…。

「もしっ!もしもよっ!?あたるが先輩とそれで付き合い始めたら…。」
「えっ?」

考えたくもない可能性…。

「おい巴、そういう事彼女の、あだっ!」

何を気に障った、当然蹴りを入れる彼女。

「お前が言うなっ!」
「と、巴ちゃん。」
「……。」
「…そうしたらどうなる、と言うか誰にどんなメリットがあるか。」
「メリットって、先輩が幸せになって…。」
「うん、そうなるとアンタはどうなる?」
「そりゃー独りぼっちになって…。」
「……アイツが近寄ってくる。」
「アイツって、誰?」
「はぁー、前にもこんなシチュエーションなかったっけ?」
「え…それって。」

思い返したくもない出来事が脳裏によぎる。

「でも、それはあり得ないよな。」
「えっ?」
「何があったって俺が君を裏切る事何てないから。」
「佐伯…君。」

グイッと私に近寄る彼。

「ごめん、寂しい思いをさせて。」
「そんなっ!仕方ないよ!先輩があんな事に、いやあんな嘘ついたから。」
「柊…さん。でもそれでも!君を優先すべきだった。」
「!」

彼も自覚していた、だなんて…以外だ。

「やる事をやったら、また一緒になろう!」
「……。」

肩に優しく少し大きい片手を添える彼。

「今度の休みの日にイルミネーションを見に行こう!大通公園の。」
「佐伯…君…うん。」

そして私たちは目的地を目にし二人でそこに向かう。

彼の背中を呆れるも笑みのある顔で見つめる巴。

「ふっ、…少しはマシになったか。」


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