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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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諦めきれず…-2

「ありがとね、今日も手伝ってもらっちゃって。」
「まぁ、その…。」

こないだスッパリ手を引いたつもりだったのにまたしても付き合ってしまった。

スーパーで買った品物を食卓に並べる。

「ねぇ!良かったら夕飯一緒に食べない!?ホラッ貴方の大好きな肉まんあるよ!」
「肉まんは間食の部類に入るだろ…、だからいいって言ってるだろ、そういうの…。」
「どーせ暇でしょ?だったらそれくらい…。」
「バーロォ!暇って何だよっ!俺はこれから柊さんに会いに行くんだよっ!」
「また彼女?」
「そーだよっ、アンタ何かと一緒に居る間また彼女を苦しめる事になるし…。」

今頃、柊さんはブルーに落ち込み、その横で巴が柊さんを思いレッドに怒りがこみ上げて
いる事だろう…。

「じゃあな、今度こそさようなら!」

強く彼女に背を向け、今度こそ躊躇なく玄関へ足を運ぶ。

「あっ!待って!」
「んだよっ!放せよっ!往生際悪いぞっ!」

案の定また俺の腕を掴み引き止めようとするが粗暴に振り払おうとする。

「アンタとは付き合えないって言ってるだろっ!俺には柊さんがっ!」
「それでも私は貴方の事がっ…きゃっ!」

揉み合いになり、その内二人してバランスを崩し。

「あ……。」
「……。」

不運な事に俺はベットに背をくっつけ、そして目の前には四つん這いの彼女が…。

「佐伯…君。」
「……。」

顔を赤く染め、じっと俺を見つめ…。そしてそのまま唇を近づけ…。

「なっ!」

徐々に顔が近づき、口づけを迫る。

「や、やめろ…。」

今すぐにでも彼女を払いのけたい…、でも、ここ一番で頼りない俺はそれを行う度胸が
なく…、元カノで今は弱っているんだ…そう思うと。

そうこう思っていると唇が指一本分まで近づき。

もう、駄目なのか…、いや、そんな事をしたら。

「アンタ何してんのっ!?」

居間の扉から聞こえる見知らぬ女性の声。

「あ…、お…お母さん。」
「何っ!」

鳩に豆鉄砲を食らったように目を丸くするこの人が先輩の母親…。

…というか随分顔色が健全的だが…。

いきなり倒れて寝たきりなんじゃ…。

一同、時が止まったかの如くピタリと固まる。


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