傷-1
タクミは、ちづるをなだめ抱きしめている。
頭と背中を、ゆっくり撫でている。
ちづるの声に 気持ちに
タクミは耳を澄ませていた。
泣き声の中、たった1度だけだが、小さな声でこう言った。
『 みんな だいきらい、 。』
そう、言った 、 、。
、 、みんな ?
『、、っ、なんで、笑うの!?』
、 、 、
俺、笑った、か?
え 、、?
いつ?
、 、 、、鼻血 ふいた 、後 ?
ちづるの泣き声は、徐々に小さくなってゆく。
しゃっくりはしているが、少しづつ落ち着いてきた。
「ちづちゃん、?平気?
少し、落ち着いた?」
ちづるは、タクミの胸の中で小さく頷いた。
「笑ったって、、。
もしかして、鼻血で? 昔、笑われたの?」
ちづるはまた頷く。
「そっかー、、。
よく分かんないけど、 、
嫌な思いしたって事か、、、。」
タクミはちづるの頭をよしよし、と撫でる。
「、 、 でも俺は、からかって笑った訳じゃないよ?
かわいーなー、って思っちゃった。」
「、、、。」
「前も言ったけど、ちづちゃん子供みたいなんだもん。
かわいくて、たまんないんだよねー、、。」
「、、。」
「でもー、、。
、やりすぎちゃったかもー、。
ごめん ね、?
、 、俺の事、 、もう、 嫌いになった?」
ちづるは首を横に振った。
ゆっくりと顔を上げ、タクミを見た。
「、っ、、」
心配そうにしているタクミの顔。
その優しい顔を見ると、また泣きそうになったが、もう困らせるのは嫌だから、ちづるは堪えた。
、 思い出した、 、 。
あたし、背の高い男の人 苦手だったんだ。
、 、 タクミくんの事も、 、最初はほんの少し、怖かったっけ、 、 。