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同棲ラプソディー
【女性向け 官能小説】

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振り向いて声の主を確認すると
学生時代ずっと同じ学校で、友人の蒼と結婚した里香だった。

「里香!」
「人の名前を駅前で大きな声で叫ばないでよ」
なんて、綺麗な顔で笑った。

「久しぶりだな。何してんの?」
「うん。蒼がね。明日から出張なんだけど朝一のアポだから今日前泊するって。
新幹線で行ったから、新横浜まで送ってきたところ。
地下鉄でここまで一本で来たから映画でも見ようかなって」

「一人で?寂しい奴だな〜」
冗談でそう言えば
「佐藤だって一人でしょ!」
と肩をたたく。

学生時代、ずっと好きだった女だ。

「ってそう言えば彼女が出来たんだって?」
ニヤニヤしながらそう言った。
「蒼に聞いたのかよ」
「まぁね」

そう笑う、その笑顔が好きだった。

あ、俺ちゃんと過去形になってる。

里香と別れてからも、何人かと付き合ったけど
今まで里香がなかなか過去形になってくれなくて
もう、それも成るように成ると諦めていたけど。
今、里香の事が過去形になってる。

そんな自分自身の発見に嬉しくなっていたら、
さっきの男と別れて俺を追って来たんだろう吉見が
少し離れた所から、俺と里香を見ていた。



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