FDVD -2
「困ってるー。絶対ちづちゃんでしょ?見たの。」
ちづるはタクミの目を見ながら黙って首を横に振った。
「俺、別にいいと思うけど。
女の人がこういうの見たって。」
「あ、、あたし、ちょっと、トイレ、、。」
とにかくその場から逃げようとした。
「待って。」
タクミはちづるの腕を掴んだ。
ちづるは恐る恐る、タクミを見る。
タクミは、ちづるが何か言うのを待っているようだった。
ここまで動揺してしまったら、きっともう、ごまかせない。
ちづるはそう思い、言った。
「、、、見てたら、どうなの?
もしかして、、、誰かにバラす、とか?」
「?
バラす?、、、って何を?」
「、、、だから、そういうのを見る人だって、、、。」
タクミは少し笑って、言った。
「バラすって誰に。」
「、、分かんないけど、、。」
タクミは笑って言う。
「バラさないよ。」
なんか、かわいー。
『バラす』って、、。
子供かよ。
タクミは、ちづるのその発想が幼稚に思えて、少し笑った。
ちづるは、タクミが笑ったのが怖かった。
軽蔑された、、?
「本当?」
ちづるは、今にも泣き出してしまいそうだ。
「本当。」
「、、、。」
「あれ見て、オナニーするの?」
「、、、!、、っ、、」
ちづるは答えない。
パニックになった。
タクミはまだ、ちづるの腕を強く掴んでいる。
「道具は? 使う?」
タクミはまだ、質問してくる。