E二人の会話-2
タクミは将来、料理人になりたいから、高校卒業後は料理の専門学校に行くという。
家族は母親と二人暮らし。
母親は近所のスナックで夜働いている。
近所付き合いはなく、人付き合いが苦手な親を持つと苦労する、と、タクミは苦笑いをして話していた。
今は付き合ってる男の人がいるらしい。
「昔からよく変な男に引っかかるんだよね。
今度は騙されんなよ、って感じー。」
と言っていた。
二人はカレーを食べ終わり、ちづるはコーヒーを入れた。
タクミが色々話して、ちづるはそれを聞いていた。
ちづるは、
「タクミ君、彼女はいないの?
高校生なら、もういるよね、普通。」
と聞いてみた。
「、、、うーん、それっぽいのが、いるような、いないような。」
「? 告白された、とか?」
「そー。」
「で、、付き合ってる?」
「断ろうかなーって思ったら、彼女いないんだからいいじゃん!とか言われて。」
「凄いね〜!今時は女の子のが強いのかなぁ。」
「そーかもね。」
と、笑った。
結局、どの程度の付き合いをしているのかは、よく分からなかった。
「ちづちゃんは?旦那とはラブラブ?」
聞かれて、少し動揺した。
「普通、かな。」
とだけ答えた。
「ふーん。」
「仕事が忙しくて、なかなか帰ってこれないのよ。」
「なんの仕事?」
ちづるは空いたお皿をさげながら応える。
「んー? お洋服屋さん。」
「へー。
どれぐらい帰ってないの?」
えーと、、。
最後に隆史が帰ってきたの、いつだっけ?
ちづるはカレンダーを眺めて日にちを数えた。
「うーんと、、4週間?かなぁ。」
「え、そんなに?」
最後に隆史が帰ってきたのは仕事の資料を取りにだった。
ちづるの居ない時間で、後からメールで
「資料取りたかったから、部屋に入った。」
とだけメールがきていた。