A怪我-2
「無理だったら、やめよう!ね?私は平気だから、、。」
タクミは立ち上がりながら
「俺、中学の時柔道やってたから大丈夫。
、、あんた結構、小さいし。」
「でも、、、」
と言いかけた時にはタクミはもう歩き出していた。
「それ貸して。」
と、ちづるの持っていたバッグと買い物袋も持ってくれた。
スカートじゃなくて良かった、、。
なんか、でも、、恥ずかしい、、。
汗もかいてるし。
私、匂い大丈夫かな、、。
ちづるはタクミの背中で真っ赤になっていた。
「病院行かなくていいの?」
「うん、、。とりあえず荷物置きに家に帰りたいし、、。」
「分かった。」
タクミは黙々と歩く。
しばらくすると少しだけ、タクミの息があがっているように思えて、ちづるは申し訳ない気持ちになった。
「重いよね?やっぱり降りるよ、、?」
と、言ったがタクミは少し笑って
「まー、ちょっと重いけど。
いや嘘。大丈夫。乗ってなさい。」
と、言った。
それからまたしばらく、タクミは黙々と歩く。
ちづるは身体をモゾモゾと動かし、何度か体勢を変えるような動きをしている。
「あの、、、。」
ちづるは、言いかけたが、やめた。
しばらく歩くと、タクミが
「半分はきたかな。」
と、言った。
気がつくとちづるは、タクミにさっきより強くしがみついている。
力を込めているようだ。
ちづるの上半身全体がタクミの背中にピッタリとくっついている。
ちづるは小さく
「、、っ、ぅ、、」
と、言った。
タクミはちづるの異変に気がついた。
、、?
ちづるの身体が一瞬、震えたように感じた。
痛みに耐えてるのだろうか。
何か、言いたそうな感じもする。