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春雷
【女性向け 官能小説】

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フリージア2-1


ピアスをする為に耳に穴を空けると人生が変わるって、誰かが言ってたっけ…。

十七の時、町でふと見かけた中学時代の同級生の女の子が別人かと思うくらい変わってて、びっくりしてしまった事があった。
緩いパーマを施した、長くて明るい茶髪の隙間から見えた、大きなリング状のピアス。ボタンを開けたブラウスの胸元にはシルバーのネックレス。
濃いアイメイクに極度に短いチェックのプリーツスカート。
彼女の隣には、いかにもって感じの派手な彼氏がいて。

中学時代の彼女は真面目で大人しい子だったけど、数年を経て偶然再会したら、真面目や大人しいなんて言葉には全く当てはまる事のない振舞いで、尚驚いたっけ。

「色々経験したからねー」
そう私に言った彼女の笑みは、なんだか同い年に見えないくらいに艶っぽくて、思わず苦笑いしてしまった。


初めてのセックスって、ピアスをする事と似たようなものなんだろうなって、ぼんやりと考えた事があった。
あの頃の私にはなんだかそのどちらも怖い事のように思えた。

何かが急激に大きく変わる事がただ怖かったの。
だけど、今は少しだけ怖い事じゃないんだってわかった気がする。

きっと、何かに向かおうと思う心の変化は、どれも瞬発的な思い付きや急激なものだけじゃなくて、そこに向かう為にちゃんと時間を費やして育ってきた「思いの結晶」があったからなんだろうなって。

今、私がこの選択に向かえたのは、少しずつ少しずつ時間をかけて育ってきた思いがあったからだ。
ずっと気付かない振りをして遣り過ごしてきた思いの蓋を開ける事が出来たのは、きっとその先にいつも那由多がいたからだって。意識するに止まらずに、そう自覚が出来た事が嬉かった。


身体中に施される悦に浸り、熱に冒され喉からどうしようもなく溢れてしまう嬌声が恥ずかしくて閉じていた目。
それを少しだけ開けてみたら、那由多と視線がぶつかった。

「辛いか…? お前、初めてなのに、飛ばし過ぎたか?」

その言葉の端々や表情で、不器用ながらにも私を心配してくれてる事が伝わって、お腹の奥が甘く疼いて視界がぼやけてしまった。

「辛くないよ…ううん、やっぱり辛いかも…」

那由多をどんどん欲しがってる、歯止めが効かない私が辛い。
そう思うけど、言葉には中々できるものじゃなくて少し困ったけど、

「辛いはずなのに……ほしいよ…どうしよう…」
やっと出た情けない譫言みたいな呟きと共に、那由多に手を伸ばしたら、

「そうか、じゃあ…」
「んっっ!! ゃっ――あっっ…」

切なく疼いて止まない、濡れそぼった蜜部に感じる那由多の指の動きに、身体中が否応なしに熱をあげて捩れてしまう。

「凄い感度いいな…ほら、もうこんなに…」
「やっっ…ぁああ…っん! あっ、ぁっ…」

ゆっくりと解すように、指腹で腹部を内側から撫でられるように蜜部の中を甘く責められるだけで、震えが伴うくらいの悦楽に支配されて、指の動きと喘ぎとがシンクロしてしまう。
そんな私を、潤みと艶を纏う瞳で見つめる那由多と視線が合うと、泣き出してしまいそうになるくらい恥ずかしいのに、嬌声が止まらない。

「あぁ…っ……っあああっ!! ゃ…那由…多…ぁ…」
「ヒカリ…」
「なん…か…ぁあっっ!! やあっ!! く…るあ、あっ、あぁ…」

中を責められ、蜜部の敏感な突起を指腹で捏ね回され、お腹の奥が震えて軋んで、急激に押し寄せる快楽の波に思わず息が詰まり、身が固まってしまった。
そんな息も絶え絶えな私を見て、

「お前、本当、感度良すぎだな…イクの早すぎるだろ」
那由多は悪戯っ子みたいに小さな笑みを浮かべて、

「じゃあそろそろ。俺もお前の中で気持ちよくなっていい…?」

私に覆い被さり、髪を撫でられて見つめられたら、胸が甘く軋んで、治まりつつあった疼きに再度火がついて、蜜部がじわりと潤んでしまう。
指だけでもこんなに乱れちゃうのに…。
お腹に当たってる、那由多の脈動する固く張り詰めた熱いものに意識がいくと、思わず息を飲んでしまった。

「怖いか…?」
頬を撫でられ、少し心配そうに笑む那由多に、

「…怖いよ。でも、那由多とならきっと大丈夫だよ…」
「…もうダメだ、お前、かわい過ぎだろ…」

啄むようなキスを交わしながら、何度も好きをくれる那由多がなんだかかわいくて、愛しくて。
じゃれ合うキスから、深いキス。
そして、ゆっくりと那由多の熱いものが私の蜜部へと入ってきて…。

「んっ……」
「っ…ヒカリ…中…キツ…」
「那…由多…入って…る…」
「あぁ…、ヒカリん中…入ってる…」

初めて受け入れる男の人のそれは、やっぱり少しキツい。
だけど、それ以上に溢れる悦びが私を甘く包んで頭が痺れてしまいそうになった。





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