【白日の彼方に】-9
途端に、愛花の奥底まで激しく責め立てていた俺の指が、ざわざわといやらしく蠕動する肉壁にぎゅぅっと締め付けられる。
イッたか。
「ああ……。だっ、駄目ぇ……、もう、もう駄目っ!……駄目ぇ……」
体中の力が抜けてしまったかのように、愛花がガクリと崩れた。尚も執拗に愛花の内側を掻き回して
いた俺の指が、じゅぐりと卑猥な音を立てて抜け落ちる。
「早ぇよ、お前」
思わず苦笑してしまう。
けど、俺も……。俺のも、もう出そうだ。
愛花の唾液にたっぷりと濡らされた俺のモノが、愛花の喘ぎ声に煽られ、今にも爆発しそうにそそり勃っている。
「脱げ」
しどけなくシートに横たわった愛花の胸に、ぐっしょりと濡れた手を伸ばし、愛花汁をまんべんなく擦りこむように胸を揉みながらそう言うと、愛花は「ああっ……」と悶えながらも、スカートの中に手を入れた。
そうして、ゆっくりと自らの手で濡れたパンツを下ろしていく。
以前は激しく抵抗していた愛花。いつの間にか抗うことを止め、この時間が過ぎてしまうまでの辛抱とばかりにその身を固くして耐えていた愛花。
それが今では、ほとんど抵抗もなく、自らの手で俺の目の前に股を開く。
それは、喜ばしいことなのだろうか?
『他の男の前でも、自分で脱いでいるのか?』
意味のない問いかけだ。
俺は他の女の前でも、自分で脱ぐ。
何故、愛花はダメなんだ?
愛花は、俺の妹だ。俺のモノでも恋人でも何でもないのに。俺は、愛花の兄なのに。
本来、今の俺達の関係の方が、間違っているのに……。
だから、聞けない。
だから俺は、愛花に他に男がいるのかどうかを、深く追求することが出来ない。
愛花から、「だから何?」って、「お兄ちゃんは、お兄ちゃんでしょう?」って言われるのが、怖いから。そう言われてしまったら、もう俺には、どうすることも出来ないから。
愛花。
「こっちに来い」
だから俺は、お前が何をしていようと、この一時、俺の前で股を開いているこの一時だけは、お前を俺の好きにするんだ。
片方の脚を抜き、もう片方の足首にパンツを引っ掛けたまま、ヨロヨロと身を起こした愛花が、シートに深く腰掛けた俺の腹の上に跨ってきた。
スカートを臍の上までたくし上げて、俺のモノを自らの中に沈み込ませようとするが、その前に、俺は目の前で疼くように勃っている赤いクリトリスに舌を伸ばした。
「ああっ!」
途端に愛花が感極まった声を上げる。
その声に、更にしゃぶり付くように舐め回し、軽く歯を立てて擦り上げてやると、愛花は更に激しく悲鳴を上げて身を仰け反らせた。
「ああっ!あああっ!……あっ、あいたっ!」
愛花の背がハンドルにぶつかったらしい。ゴツッと音を立ててバランスを崩した愛花が、天井に片手を付いて崩れ落ちそうになる身体を支えた。激しく雨が降っていなかったら、運転席のシートの上に中腰になり、俺に自らスカートを持ち上げてアソコを舐められている愛花の姿は、窓の外から丸見えだろう。
そう思うと、更に興奮してくる。
「ひっ……ぁっ、あっ、ああんっ!あっ……、もっ、やっ、やぁ……」
それは愛花自身もなのかもしれない。
泣き声を上げながらも、早く入れて欲しいとばかりに、俺の髪の間に手を入れ、掻き乱すようにして上から押してくる。
俺が、髪を触られるのは好きじゃないのを知っているくせに。
この女は……。