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空の落し物
【ロリ 官能小説】

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子連れの未亡人2-1

貴道のもとに女が通いだしたのはその翌日からだった。どうやら、あの晩、女は貴道を家まで送ってきていたらしい。それで貴道の住まいが知れたのだとしか思えなかった。
貴道がフィットネスクラブから帰る時間はいつも決まっていた。何曜日に来るものか、そこまで女は把握できなくても、帰る時間を見計らって訪ねれば、大概、貴道がいる計算になる。
女はほぼ毎日、夕食を持って訪れた。クラブであった日にはそのまま付いてきた。
「いらないって言ってるじゃないですか。」
「でも、あれば助かるでしょう?」
「なんで毎日のように来るんです?僕は一人になりたいんです。」
「でも、近くを通るんだし」
これから用がある、と、貴道はわざわざ家からよそに足を向けたこともあったけれども、毎度というわけにはいかない。子供を女が連れてきたりすれば、これは貴道の側からも断われないのだった。それを知ってか、女はしばしばそのように子連れでやって来た。子供の前では機嫌を悪くすることも貴道には憚られた。連れてこられる子供にはいい迷惑だろうと思っていた。

女の食事を貴道は断りきれないで、食べる時には酒も加えた。飲んで酔ってしまうと、女の誘いに怒りをぶつけるつもりで交わった。
女は貴道に避妊することを許さなかった。懸念する余裕など、入ってしまえば貴道にもない「下の口」だったが、女は妊娠しなかった。かすがいになるものを早く形にしたいという女の焦りのせいだったろうか。ずるずると、忍耐強い女の思うままに、生活は形作られていった。
しかしこの間(かん)、貴道の思いも同様に進めて現実化されていった。
女とのことが済んだあと、まるでデザートででもあるかのように、女は娘を差し出した。貴道にとってみれば、それこそがメインである喜びに内心浸りつつ、女の子の印からその日の残り物を掠め取った。そして一年もすると、貴道から女の子の唇に、自分の残り物を捧げるようになった。女はそれに反対しなかった。女の、親としての態度を貴道は憎みもしたが、自分の行為は止められなかった。そんな自分をも貴道は憎んだ。唇が濡らされると、少女は無意識に舌で舐めとった。
少女の胸はこの頃から目立って膨らみはじめた。少女はしこりができて痛いと貴道にも相談した。二人の関係はかくも良かったのである。無論、貴道の夜の行為を少女は知らなかった。貴道は、この娘と二人きりで、この夜の関係も認めあって続けながら暮らせたら、どんなに幸せだろうと想像した。だが、ときどきは、目が覚めたかのように、女との行く末と、子供に対する自分たちの悪行とを思いやり、貴道は身震いするのだった。

女はとにかく毎日やってきた。断っても断っても効果はなかった。
子供のためを考えて、貴道は女が来ると、一日おきには女の家へ移動した。またやはり子供のために、女が自分の家に泊まることを貴道は許さず、事が済んだら女を返した。女の家にいるときは、貴道は深夜には帰ることにしていた。子供を気遣う貴道の気持ちは本当だった。しかし、近くにいては、少女の成長を貴道は確かめずにいられなかった。女は鬱陶しかったが、娘の側には毎日いたいくらいだった。少女の脚の間の溝と腋の下には薄く金髪が生えてきていた。胸のしこりは左右違ってまだあった。子供の体に貴道の淋しい心は必ず慰められるのだった。

「ママ、あたしのお気に入りのパンツ知らない? ほかにも見つからないの、たくさんあるんだけど。」
娘の心の成長を、母も貴道も忘れていたのだろう。毎回貴道が持ち去っていれば、子供は気付いて当たり前のことだった。
子供のこの言葉を貴道は女から聞かされ、幾つか返してくれるよう、また、暫くはもちかえらないよう頼まれた。そのように貴道はした。ことはそれで収まったが、貴道にしてみると、いつかは斬られる首のしばらく繋がった思いだった。


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