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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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巴と若葉-4

「今、なんつった?」

買い物を済ませた私達は人気の無い暗い公園で、今後の話をする。

「だからこのままでも良いかなーって。」
「アンタ…何言ってんの?こんな偽りのカップルを続けろって言うのっ!?」
「偽りって…。」
「若葉は本気でアンタを愛している、アンタもそうでしょ?」
「それは…そうだけど。」

無論、幾らコイツでも分かっている筈だが。

「ダガ俺らは元恋人、柊さんとアイツは幼馴染。」
「…何が言いたい訳?」
「……俺達は再び恋人同士となり、柊さん達も昔の恋が実り。」
「バーカッ!」
「なっ!」

はぁ、何かムカムカしてきた。

「テメーはほんっと単細胞!地獄の餓鬼!」

言うよ、馬鹿な事でも何でも。

「確かにそれなら私は寂しくないかもしれないね。」
「だろう!だからこのまま。」
「でもさぁー!アンタはそれでいいの?若葉の事を…。」
「そりゃー俺だって、けど仕方ないだろ?」
「はっ!諦める訳?」
「いやー、だって。」
「……アンタの提案はハッキリ言って穴だらけ。そんな事してアンタは本当に好きな人と
一緒になれないし、あの子も好きでもないあの幼馴染にしつこく言い寄られ続けて。」
「……。」
「…大体そんな事、蓮が合宿から戻って知ったらどうするつもり?」
「それは…。」
「…そんな事も分からないで今の状況が正しい?…はぁあんたって付き合ってる時からも
そうだったよね!面倒臭がって対して頭を働かせないで。」
「………。」

本当、イライラするな。

「…ゴメン。」
「……。」
「大事な事なのに、俺ってばいい加減な事を。」
「少しは分かった?」
「あぁ……。」

ゆっくりとした足取りで背を向け、夜空を見つめる。

「お前、大丈夫か?」
「へ?」
「元々こうなったのはお前が、寂しさから逃れる為で、さ。」
「……。」

…ひょっとしてコイツ、私が自分が居なくなって寂しい思いをするんでないかって思って

「……ありがとうっ!」
「!!」
「アンタはどうしようもないバカだけど、優しいよね。」
「巴…。」

こんな事して、胸が締め付けられるではないか。

「……。」

私の動揺を察したか、ジッと私の顔を見つめ。

…このまま、彼に、甘えても……。

いやいやっ!何考えてるんだ、私!だからそんな事をしたら。

「……全ては、お前次第だ…。」
「!!」

それは、私が目の前の男を、かつて愛した少年を突き放つ事が出来るかどうか…と言う。

私次第…かぁ。



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