小悪魔な彼女-2
俺は寝不足の目を擦りながら、着替えて大学に向かった。
今日はひとコマだけだから帰ったら速攻寝る・・・。と講義室の机に顔を埋めてたら、誰かが俺の髪に触れた感覚がした。
誰だ・・・?と考える前に聞きなれた声が聞こえる。
「大地〜!今日ヒマ?」
女友達の絵美だった。俺は顔を上げずに答えた。
「暇じゃねぇ・・・帰って寝る。」
「昨日バイト忙しかったの?」
「まあな。」
「でも夜は空いてるんでしょ?いいことしようよ。」
俺は顔を上げて、絵美の顔をまじまじと見た。
不自然なほど長い睫に茶色のカラコン、強めに巻いた巻き髪から甘いヘアーコロンの匂いが漂っている。絵美って化粧濃かったんだな・・・。
俺に見られていると気づいた絵美は、いぶかしげに俺を見つめ返す。
「どうしたの?大地。」
「んー?いや、なんでもない。でも、今日はパス。ほんと疲れてんだ。」
「そう、わかった〜。じゃあまた連絡するね。」
絵美は俺の前から去っていった。
いつもの俺だったら、迷わず絵美の誘いを受けて夜はあいつの家でセックスするのに、今日はそんな気になれなかった。