新人歓迎会(後編)-6
■視点 香澄
どれほどの時間、私の体は蹂躙されだろう。誰にも見せたことのない胸や恥部、穴という穴を覗かれ、アクメに達する痴態を衆目に晒した。純潔は奪われ、おそらくは女性が生涯に交わる平均的な男性の人数を、軽く超えるであろう人数に輪姦された。
汚れされた。汚れてしまった。そのことがとても辛く悲しいのに、それでも快感を覚えてしまう体が恨めしかった。正直、もう死んでしまいたいとさえ思う。
「お疲れ様、岡田さん。最後までいい反応だったよ。去年までいた子は、三時間もすると反応見せなくなって、少々物足りないところがあったからね。」
「ぅ……ぁ……。」
水口さんは、私に付けられた枷を外しながら話しかけてくる。それに応えようとするが、うまく言葉にできない。
それにしても今の言葉といい、枷が外されていることといい、ようやく解放されるのだろうか。気付けば、会議室には私と水口さんしかいない。
「今日はもう帰っていいからね。格好もだけど匂いもすごいから、会社のシャワーを使って流してから帰りなよ。」
そんな私の考えに対する答えを、水口さんが教えてくれた。まるで、仕事で分からないところを教えてくれるかの如く。
「荷物と服はそこにあるから。あ、でも下着はないな。岡田さんのおしっこシミ付きパンツ、大人気だったよ。これからは何度も何度も要求されるかもね。」
水口さんの指差した方を見ると、私の荷物と服が山になって置かれていた。
「戸締りだけはしっかりとよろしく。もし忘れちゃったりすると、どんなお仕置きが待っているか、僕にも分からないからね。」
水口さんの遠ざかる笑い声を聞きながら、私は何とか荷物の方へと向かう。足腰は言うことを聞かず、それどころか全身に力が入らない。それでも這うようにして、荷物の元へとたどり着く。
汚れた体のまま服を着るわけには行かないが、せめてお母さんに連絡だけはしておかなきゃ。
カバンから携帯を取り出そう服をどけると、数枚の写真がハラハラと落ちる。拾い上げて見てみると、そこには拘束された私が、幾人かの同僚に陵辱されていた。別の一枚には、苦悶の表情を浮かべる私。これは破瓜の時だろうか。
おそらく誰かに言えばばら撒くぞ的な、そんな脅しなのだろう。心配しなくてもそんなことしないのに。だって、お母さんがこのことを知れば、余計な心労を与えるだけだ。そんなことはしたくない。
そうだ。私には家族へ返さなきゃいけない恩がある。私の犯した罪、家族を貧困へと落としたことに対するせめてもの償い。
いつ間にか流していた涙を腕でぐいっと拭うと、体に力を入れて何とか立ち上がる。
まずは体を潔めよう。それから下着を買わなきゃ。ノーブラノーパンなんて、余計な心配かけちゃう。家に帰ったら怒られるかな。こんな時間まで連絡も碌に出来なかったわけだし。あ、すでに心配させちゃってる……。
暖かい家庭を思うと少しだが、全身に力が戻った気がする。家族のためなら、こんな地獄のよう環境にだって、私は頑張れるかもしれない。