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例えばこんなカリキュラム
【二次創作 官能小説】

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〜 保健・症状 〜-1

〜 2番の保健 ・ 症状 〜

 

 『現代社会と健康』――健康がもつ意味に疑問を挟んではいけません。 私たちの身体よりも大事なものがあれば、その健康が優先されても仕方がないことです。

 ……本心ではそう思ってはいませんけど、そういうことにしなければいけません。


『感染症』
 病原体が胎内に入り、それが増殖して起きる病気が感染症です。 症例はいくらでもあります。 旧世紀の後半だと、エボラウィルスや新型インフルエンザSARS、急性呼吸器症候群MERS等が有名でしょう。 現代ではあらゆる既存の感染症に対し、対症療法が出来ていますから、速やかに医療を受けさえすればあらゆる感染症が完治します。

 ただし、感染症の特徴は、常に病原体の進化により、新たなタイプの感染症が生じる点です。 殿方はG遺伝子を中心に優秀な遺伝子のみで構成されているため、遺伝バリエーションがありません。 
殿方の限りなく無欠な遺伝子をもってしても対応できない症状が万が一存在するとします。 もしも新しく生まれた病原体がその症状であれば、殿方の身体は致命的ダメージを受けかねません。  私達牝はといえば、ある程度優秀な遺伝子から構成されているものの、殿方に比べると遺伝子は多様な構成だそうです。 だから、致命的症状をもたらす新感染症が生まれたとしても、牝全体が感染する可能性はありません。 最悪の事態が起きて90%が罹患するとしても、残りの10%は健康を保つと考えられています。 

 感染症は依代(よりしろ)の内部で変異します。 ゆえに感染症にかからないことは、感染症の進化を防ぐためにも重要です。 医療があるから罹っていい、という理屈にはなりません。 第一正規の医療を受けさせて貰えるのは牝全体のうち、ほんの一握りです。 私たち学園生徒ですら、罹患して危篤になったとして、医療ケアが与えられるかは疑問だそうです。 ということは、DグループやEグループは、まずケアの『ケ』の字もないと思っていいんでしょう。 そもそもグループを問わず自力で感染症から回復できない弱い身体と見做され、放置される可能性も十二分にあるそうで……要するに風邪はひくな、ということですね。


『予防』
 というわけで、予防措置についてです。 毎晩身体を洗うシャワーには抗菌剤が含まれていて、体表で繁殖する悪玉菌を退治したり、学園が支給した上履きには耐菌フッ素加工が施され、水虫菌の繁殖を抑えていたりと、学園には様々な予防措置が講じられていると教わりました。
 
 あとは私たちの体内免疫です。 旧世紀の牝と比較し、液性免疫を司るキラーT細胞の数は、私達が圧倒的に多いそうです。 細胞性免疫でいうと、1つのB細胞が産出する抗体の数は旧世紀の牝の約10倍だそうです。 どちらにしても生まれつき持っている免疫機能は向上しています。

 あとは後天的な予防接種を忘れてはいけません。 『感染症に罹からない』身体を目指す殿方に対し、牝は『感染症に罹かっても完治する』身体を意図して遺伝設計されています。 ゆえに『破傷風』や『結核』といった地上から姿を消した病原体を含め、あらゆる感染症の予防接種を受けます。 思い返せば幼年学校低学年の4月、呆れるくらいたくさんの注射をされました。 アレがきっと、感染症への対策だったんだなと思います。


『性感染症』
 旧世紀は生殖医療が未発達だったため、性交による受精が主流でした。 幼年学校では性交の方法や仕組みについて習っていたので、当時は私もきっと将来は殿方(当時は『男子』)とセックスするんだろうなあ、子供ができたらいいなあ、なんて思っていました。 そんな機会は金輪際訪れないのに……現実を知らないから、幸せでしたね、あの頃は。
 
 性交を媒介にして感染する病気を『性感染症』といいます。 淋病や梅毒、性器ヘルペス感染症や性器クラミジア感染症、カビの一種によるカンジダなど、古来より様々な感染症が受け継がれてきました。 これらの症状は潜伏期間が短く、治療方法も確立しています。 しかも、オリモノ――学園風にいう所のオマン滓――が増えたり、チツマンコに小さな水泡ができるため、見ただけで感染が判断できます。 人類にとって脅威かといわれれば、十分対応可能なレベルです。

 性感染症で真に脅威になったものには、20世紀の『HIV(Human Immunodeficiency Virus):ヒト免疫不全ウィルス――後天的免疫不全症候群を起こすウィルスで、膣粘膜での摩擦や血液により感染する――』と21世紀の『HIDV(Human Immune Disorders Virus):ヒト免疫疾患ウィルス――免疫不全症候群を起こすウィルスで、体液(血・リンパなどの体液、唾・涙・汗などの分泌物)によって接触感染する。 症状の発現は男性に限定される――』があります。 特に後者は接触感染で拡大し、潜伏期間も短かったため甚大な被害をもたらしました。 

 私達が常に陰唇を拡げる理由の1つに、自分が『HIDV』罹患者でないことの証明があります。 仮に『HIDV』に罹患しているとなれば(現在では成人牝のHIDV罹患率はゼロ)、殿方に感染させる可能性から即座に隔離後、処分されなくてはいけません。 『HIDV』に感染したメスは膣壁が爛れ、体液分泌が止まり、恥部全域が乾燥しきった状態になります。 ゆえに自分の股間が適切な色合いを保ち、通常の湿り気を保持し、陰部全体が潤っていることを常に示すことで初めて、社会での活動が認められるそうです。 膣を拡げることに意味があったことを知って、少なからずショックを受けたのを覚えています。 ただ馬鹿にされるためじゃないんだと、そう知って呆然となりました。




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