真相-8
家に自分の居場所はなかった。
次第に葵は家に帰らなくなった。
行く当てもなく、学校にも行かず毎日フラフラしていた。
でも街を歩けば色んな女が寄って来た。
食事や寝る場所には困らなかった。
それからしばらくして、たまたま家に服を取りに戻った時、
葵は父と新しい母が夜中に言い合っているのを聞いてしまった。
血のつながらない弟だと思っていた弟が、実は父の子どもだったという真実を知った。
そしてどうやら母が生きていた時から、
父が不倫してできた子どもだという事に気がついてしまう。
葵はもう、全ての事がどうでもよくなる。
心が空っぽになり、息をしているだけの人形の様に毎日を過ごしていた。