真相-5
“間もなくイルカショーが始まります”
と館内放送が聞こえると葵君は急に笑い出した。
「何言ってんの、奈々子さん。」
「え・・・?」
「なんでそんな事考えてるの?」
「だって・・・豹介君が・・・。」
と奈々子はつい口走ってしまった。しまったと手を口に当てた時には遅かった。
「豹介?」
葵は困惑した顔で奈々子を見つめた。
結局奈々子は、豹介の悩みを打ち明けてしまうと、
葵は唖然としてそれを聞いていた。
「なんだよ、それ・・・。ないって。」
「・・・私それから心配になって・・・。」
「だからたまに暗い顔になってたんだ。」
「俺の事話すよ。でもどっかに座ろうか。」
奈々子たちは空いていたベンチに座ると、葵が静かに話し始めた。