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年下カレシ
【女性向け 官能小説】

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真相-6

―――俺には家族なんていないと思っている。


葵が6歳の時、彼を産んだ母親が交通事故で死んだ。
事故があった日は、この地方で珍しく雪が降った日だった。
一日中どんよりした天気だったことを葵は覚えている。
夕方葵の母は夫に頼まれて、職場まで彼が家に忘れた書類を届けに急いで歩いていた。

大至急で必要だから、急いでくれと電話で要請があったのだった。
仕事中に連絡してくることはほとんどない夫からの頼みで、
葵の母は言われた通りに足早に家を出た。
すぐ戻るからおやつはもうちょっと待っていてね、と葵に言い残して。


それが母からの最後の言葉になるとは、葵は夢にも思わなかった。


葵の父の職場近くの横断歩道で、悲劇は起こった。
葵の母が青信号だった横断歩道を渡っていた時、
スリップした車が彼女をめがけていきなり突っ込んできた。

彼女は即死だった。


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