真相-2
何年も行っていない、水族館デートに胸を膨らませて奈々子は家を出た。
(さりげなくゆかりの事聞いてみよう。
ゆかりってどんな友達?って。
それに、やっぱり葵君の事が知りたいよ。
大人ぶって彼が話してくれるのを待つなんてやめよう。)
奈々子はそう思った。
いつもの待ち合わせの駅、葵はすでに奈々子を待っていてくれた。
「ごめん、待たせちゃった?」
「全然、俺が早く着いちゃっただけ。早く奈々子さんに会いたかったから。」
彼はにっこりと笑いながら手を差し出した。
奈々子はそれだけで胸がきゅんとなった。
迷わずに奈々子は彼の温かい手を取る。
電車に乗って水族館に着くと、そこは夏休みとあって親子連れでにぎわっていた。
「わー・・・すごい人だね!ショー見れるかな?」
「奈々子さん明日も仕事休みだよね?ゆっくりしていこうよ。」
「うん。あ、見て!あの魚、変な顔〜。」
久しぶりの水族館に奈々子ははしゃいでしまう。
彼らはのんびりと館内を回った。