初体験-9
どれくらいの時間が経ったのだろう。
修の涙が渇いた時、部屋はもう真っ暗だった。
“ごめん、奈々子ちゃん。もう夜になっちゃってる・・・。”
“大丈夫です。”
と言ったはいいけど、時計を見ると終電はとっくに出てしまっていた。
修もその事に気がついたようだ。
“もう電車ないのか・・・。本当ごめん。こんな長い時間引き止めちゃって。”
“いいんです。私がしたかっただけですから。
気にしないでください。タクシーで帰ります。”
そう言って立ち上がった時、修が奈々子を自分の胸へと引き寄せた。
“ごめん・・・奈々子ちゃん、やっぱり帰らないで。
もうちょっと傍にいてくれないか?”