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呪縛の檻
【その他 官能小説】

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檻からの解放-14

―――と、その時再び玄関の重い扉がガチャリと開いた。
東条がボイスレコーダーを最大のボリュームで流しながら入って来た。

“雨宮一馬は私の娘の絵茉を狙っている。このままでは私たちは殺されてしまう・・・”

一馬は目を見開きながら東条の顔を見た。

「お前は誰だ・・・?その声は・・・?」

「雨宮さん、聞き覚えないんすか?あなたが殺した五十嵐和成さんの肉声ですよ。俺は彼の友人だ。あんたが戸出出版に圧力をかけて、辞めさせたいちライターですよ。」

一馬は絵茉の顔をちらりと見ると、絵茉は睨む様な目つきで一馬の方をじっと見ていた。

「雨宮さんあなた、裏であくどい事をやっているのは知っていましたけどねぇ、まさか殺人まで犯してたなんて・・・。世間はびっくりするでしょうね。端整な顔立ちで世の女性を虜にしていた社長さんが、まさか未成年の少女を手に入れたいが為に彼女の両親殺してしまったなんて。」

「――俺が絵茉の両親を殺したという証拠はあるのか?」

「あぁ、色々とね手に入ったんだよ。」

「――いくら欲しいんだ?」

「金は要りませんよ。あなたがブタ箱に入ってもらえれば、俺たちは何も望まない。」

一馬は秀慈の両肩を掴み、激しく揺すぶる。

「秀慈!こんなことをしてお前はどうなるのかわかっているのか?!私の会社がどうなるのか、わかっているのかっ?!」

「わかっているよ、父さん。僕は犯罪を見逃せるほど、腐っていない。絵茉を見捨ててまで雨宮の名を守りたくない。僕は社長なんて肩書はいらない!絵茉を散々苦しめてきた父さんを絶対に許さない!!!」

「そういう訳でさ、雨宮さん。俺たちはこれから警察に行ってくるよ。邪魔しないでくれよ。」

すると一馬は弱々しい声で絵茉の名前を呼んだ。

「絵茉・・・。」

しかし秀慈と東条が絵茉をさっと自分たちの後ろへ隠した。

「待て!お前たちをここから出すわけには行かない・・・。」

一馬はひきつった目で秀慈と東条を睨み付けながら、ポケットから何やら小さなリモコンを取り出し操作する。

「門を閉めた。外へは出られない。すぐに私の警備員がやって来るさ。」

「好きなようにすればいいよ、雨宮さん。そうそう、言い忘れてたけど。雨宮さんがそう言うと思って、念のためにもう警察には行ってきてさ、玄関の外で待っていてもらっているんだ。」

「―――なんだと?!」

東条が玄関の扉を勢いよく開けると数人の警官が一馬を待ち構えており、彼らは一馬を任意同行と言う形で連れ去っていった。一馬は離せ、触るな、私を誰だと思っているなどの叫び声が車に乗るまで響き渡っていた。

東条と秀慈、そして絵茉もその足で警察へと向かい、今まであったことを洗いざらい話した。


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