呪縛の始まり-7
これが二人の関係の始まりだった。
それから一馬は事あるごとに絵茉の部屋を訪れては、彼女の身体を味わった。屋敷は広く、一つの居室の広さも大きいので、他の家族に行為を知られることはなかった。
最初こそ嫌がっていた絵茉だったが、すでに自分に両親は居なく行く当てもない。どこにも自分の居場所がない事を散々一馬から聞かされると、次第に自分の感情をなくしていった。
一馬は絵茉が抵抗せず自分のいう事を聞くようになると、彼女をあの秘密の部屋へ週に一度来るように約束させた。それは仕事が忙しい一馬の唯一の息抜きであり、愉しみでもあった。
更に彼は、絵茉が他の男に取られないようにと、彼女のうっすらとした陰毛を定期的に剃り落とし、彼女が妊娠しないように馴染みの医師からピルを処方してもらい、絵茉に飲ませ続けている。
この雨宮一馬という男の本性を知っているのは、家族でもない彼の養い子、五十嵐絵茉ただひとりだった。