ン-6
俺の言ったその言葉にびっくりして
「何・・・言ってるんですか」
「合コンを邪魔しに来たんだ」
額から流れ落ちた汗が顎から1滴、滴り落ちた。
「え・・・?」
ビックリしている真子ちゃんをよそに
「悪いな。この子は俺のなんだ。連れて帰るよ」
そう言って、顔見知りの外食営業の後輩に
「女の子の分、いくら?」
と聞く。
え?と慌てて、女の子に確認をした金額をその女の子に手渡して
「男女の人数合わなくてごめんな。でも真子は連れて帰るから」
「あ・・・はい」
「清水さんっ」
はっと意識を今に戻した真子ちゃんが小さく抗議した。
「真子ちゃん。好きなんだ。一緒に帰ろう。話はそれからだ」
俺の言った好きという言葉の後、
ショックを受けたように真子ちゃんの表情が固まった。
俺たちは手をつないで駅前のロータリーからタクシーに乗り込んだ。
俺は少しでも有利なように
俺の陣地、マンションの前にタクシーを止めた。