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淫乱ヒロイン! ウルトラレディ
【SF 官能小説】

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光の第7章【ユウキ・マミの淫らな系譜】-1

光の第7章【ユウキ・マミの淫らな系譜】

悲しげな顔をした女が、3歳のマミの両手を握り締めて涙を流した。

「マミ、よく聞いて。今日でお母さんとお別れなの。マミは今日からお父さんと2人で暮らすのよ」

両親の愛情を一身に受けていた3歳のマミは、それがどんな意味なのかは直ぐに理解できなかった。

「どうして?」

聞き返した言葉は、女の言葉の内容にではなく、初めて見る女の涙への戸惑いに対してだった。

幼い娘の問い掛けに、女は表情に悲痛な色を浮かべた。

「ごめんなさい。お母さんは今でもお父さんを愛してる。それ以上にマミを愛してるわ。もちろん、お父さんもお母さんを愛してくれている。本当は2人とも別れたくないのよ」

幼い娘の問いに対する答えにはなっていないが、女は真剣な目でマミに訴えかけた。

「でもね…お父さんがね…」

女は更に悲痛な表情を浮かべた。

「マミのためだって…。マミには普通の暮らしを選ぶ選択肢も必要だって…」

一旦言葉を止めた女は、涙に濡れた目を見開いた。まるで次の言葉を発するための力を得るように。

「お母さんと一緒にいると、いつかはお母さんのように、実家の血が目覚めるって。それをさせないようにするには、マミはお母さんの実家と一切の関係を絶たないといけないって」

少し、難し過ぎたのか、キョトンとするマミの顔を見た女が言い直した。

「マミはケイコおばあちゃんとバイバイしなくちゃいけないって」

その名前を聞いて、3歳のマオは優しい祖母の顔が浮かんだ。

(マミがケイコおばあちゃんとバイバイ…)

いつも厳しいユウキ家の祖母と違って、いつもにこやかに微笑む母方の祖母は大好きだった。しかし、幾ら好きとはいっても、目の前の母親とは比べるまでもない。

女の言葉の半分も理解ができなかったが、幼いなりにも聡いマミは、核心を突く言葉を口にした。

「じゃあ、おかあさんもケイコおばあちゃんとバイバイすればいいよ。そうすればマミといっしょにいられるよ」

「うっ…」

聡い娘の言葉に女は息を飲み、顔を伏せて小刻みに震え始めた。

マミが生まれてから何百回、何千回と繰り返した葛藤が、女の心を駆け巡った。

しかし、もう結論は出ていた。女は顔を伏せたまま絞り出すように声を出した。

「ご、ごめんなさい…。お母さんは実家と離れることはできないの…。お母さんが実家と離れるには、あまりにも深く関わり過ぎてしまったの…」

既に一部では、実家が率いる巨大王国の後継者として理解されていた。しかし、それだけではない。早くから目覚めた女の性(さが)が、実家と離れられない本当の理由だった。

その女の血筋故に、マミの父親はマミをその血筋から遠ざけようとしたのだ。

マミの父親と知り合ってから、一度は実家との別離を決意した女だったが、マミが生まれて1年が経つころには、実家に頻繁に顔を出すようになっていた。

愛し合う夫婦は何度も話し合った。女は自分の父親が、女の母方の実家に関わりを持ったように、夫にも自分の実家に関わりを持って貰いたかった。何度も何度も懇願したが、夫はそれを良しとしなかった。

女は伏せていた顔を上げて、幼いマミの目を真っ直ぐに見つめた。真っ直ぐな視線だった。マミに対する愛情の深さが、後ろめたさに辛うじて勝り、見つめる行為を躊躇させることはかった。

「マミ、お母さんとちがって、小さいあなたは何にでもなれる。だから、お母さんと別れなければならないの」

マミは否定の言葉を吐きたかったが、真っ直ぐに見つめる女の目に浮かぶ、深い哀しみがそれをさせなかった。

「でもね…」

女は言葉の途中で一旦躊躇した。しかし、自身を全否定したままでは、余りにも自分が憐れだと感じ、言葉をつないだ。

「でもね。もし、マミがその血に目覚めたら。もし、それに惹かれたら、怖がることはないのよ。全て受け入れなさい」

そこまで言い切った女は、自分の言葉で更に力を得た。

「お母さんも、おばあちゃんも、そのまた、おばあちゃんも、それを受け入れて、女としての幸せを感じたのよ。今はわからなくてもいい。大人になって、マミが悩んだ時にはお母さんの言葉を思い出して欲しいの。本当はね、マミにもこちら側に来て欲しいと思ってるの」

一瞬、女の表情に妖しい色が浮かんだが、直ぐに寂しそうな表情を浮かべた。

「でも、愛するお父さんとの約束だからこうするしかないの…」

その後、女は泣きながら、幼いマミの元を去っていった。

幼いマミの世界が、訳のわからないまま突然崩壊した。母親である女を求めて毎日毎日泣き続けたが、いつしか辛さに耐えかねた心が平衡を保つために、女の存在そのものを忘れさせたのだった。

その後、マミは母親の血は封印されたまま成長したが、母譲りの聡明さと美貌は成長するにつれて、顕著に現れていった。


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