佐々木洋子の場合 2-3
翌日、蘭は学校に行けないので自宅で勉強をしようと机に向かい勉強を始めるものの勉強に手がつかない。それどころか1本だけと思いながら煙草を吸い始めたのだった。不思議と煙草を吸うと勉強がはかどり始め、集中力が切れるとまた煙草を1本だけ蘭は吸い、集中力を高めて机に向かい勉強を始めていく。
初めは煙草なんか吸いたくないと思っていた蘭。しかし、もう一方では煙草を吸う女と白い目で見られるようになってきていて自暴自棄になっていた自分がいるのも確かだった。
初めは煙たいと思っていたが、吸うと不思議と集中力が高まるのと気分が落ち着くのでイライラするといつしか蘭は吸うようになり始めていた。
その日の夜にはゆりに貰った煙草もすべて吸いきってしまい、蘭は煙草が吸いたくて吸いたくて我慢ができなくなり、ゆりに電話をして夜、ジュースを買いに行くとうそを言って家を抜け出し、ゆりの家へと行くのだった。
「なんだ もう吸いきっのかよ」「ゆりさん 煙草下さいよ」と蘭は言い、ゆりから煙草を売ってもらい数箱の煙草を手に入れた。煙草を咥え火を点け煙を吸い込む蘭。「やっぱ 落ち着くわ」とフーと煙を吐き出す。
「蘭もすっかりニコチン中毒だな」「ゆりさん そんなことないですよ」蘭は煙草を吸い続けるつもりはなかった。こんなものいつでも辞めることができると思っていた。「蘭 折角来たんだからこれでもやるよ」と言いゆりがくれたものは多数のファッション誌であった。それも、パンクロック、悪羅悪羅、ヤンキーギャル関係の本ばかり、当然蘭はこんな本など一度も読んだことがなかったが、「蘭も少しは世の中のことを勉強しろよ」と言われ無理やり持って帰らされることに
翌日、蘭は勉強もほどほどに煙草を吸いながら昨日貰った雑誌を見るのだった。蘭にとっては衝撃的な内容ばかりであった。しかし、読んでいるうちに蘭の白い心は徐々に黒く染まり始めていた。「どうせ周りはもう自分のことを信じてくれない」という自暴自棄の心と意外と話すとゆりがいい人だったのでのゆりの様になって好きなことをしたいという気持ちが蘭の中に芽生え始めていた。
それから蘭はゆりたちとつるむ様になり始めた。ゆり達とつるめばつるむほど今までの友達がどんどん引いて行くのが感じるようになった。蘭はもう以前の様には戻れないと思うとともにゆり達とつるんで勉強よりも自分の好きなことをすることが楽しく思えるようになり始めていた。
洋子の計画通り、蘭もゆっくりとではあるが変わり始めてきたのである。