事務所での密行 1-4
「紗英ぇ…」
首筋に鼻を寄せ匂いを吸い込む健太郎。
「あん…」
紗英は溜息混じりの甘い声を溢す。
「ああ…、気が狂いそうだ…。この匂い…たまんねぇよ…」
紗英の体臭と香水、そして事務服の匂い…、これこそ健太郎が紗英に夢中になった原点だ。その匂いは確実に健太郎の中枢神経をおかしくしていく。健太郎は手をゆっくりと登らせる。太股から腰、腰からの緩やかなラインに沿い主の宿った事務服の感触を確かめるかのように這い上がる。そして脇の下で手を止めると、その手は前へ移動する。紗英の胸は健太郎の手に包み込まれる。
「はん…」
健太郎の手が紗英の両胸に圧力を加えていく。内股を擦らせるように閉じ顎を上げる紗英の鼻からは甘い鼻息が漏れた。
「こんな事をしたかったんだ…」
ずっと妄想していた事だ。事務服姿の紗英の胸を揉む…。夢が叶った健太郎は紗英の胸をゆっくりと揉み上げる。
「ああん…」
紗英の体は敏感なままであった。ラブグラの効果が残っている訳ではなかった。ラブグラにより敏感にさせられてしまった性器が、その喜びを忘れていないからである。健太郎によって導かれる快感の極地を求めて紗英の肉体は職場で再燃するのであった。
「ああん…あっ、丹野さん…」
「藤間…」
藤間と呼ばれてドキドキした。職場の人間と不倫しているという実感が湧いたのは健太郎も同じであった。健太郎は以降、事務所での行為中ずっと藤間と呼んだ。
「スケベな体しやがって…。いつも藤間は俺の仕事の邪魔をする。事務所にいると藤間に興奮させられて仕事にならないんだよ…」
「ハァハァ…ごめんなさい…。もうこれからはちゃんと責任取るから…」
「責任?」
「うん…。ハァハァ…。私でムラムラさせちゃったら…私の体で責任を…」
その言葉に興奮する。
「たくさん責任取ってもらう事になりそうだけど?」
「ハァハァ…責任とる事が…私にとっても…。」
「フフフ、いやらしい女だ、やっぱり。藤間は…。」
自分でも何を言ってるのか分からなくなる紗英は相当頭をやられていたのかも知れない。セックス好きの欲求不満な人妻を絵に描いたような姿にしか見えなかった。
「責任の取り方は俺が色々教えてやるよ、藤間…。」
健太郎の右手がベストとシャツのボタンを何個か外し胸元から中に忍び込む。
「んっ…。」
手はブラジャーの隙間から侵入し、紗英の巨乳を包み込んだのであった。
「こういうセクハラ…してみたかったんだよ、藤間に…。」
健太郎の手は紗英の熟れた大きな膨らみをゆっくりと揉み始める。